とにかく明るきゃ安全……ってのはちょっと違う! イギリスで最近のクルマのヘッドライトが眩しすぎることに政府が対応を検討 (2/2ページ)

オートハイビーム機構があっても手動で切り替えたほうがいい

 ただし、オートハイビームの効果は万能ではない。

 日本ではJAF(日本自動車連盟)が各メーカーのクルマを使った実験を行い、その結果を公開している。それによれば、クルマによって対向車やその周辺の状況を把握する時間に多少の差があり、ロービームになるタイミングが遅い場合もあるようだ。そのため、JAFではドライバーはオートハイビームに頼りっきりになるのではなく、状況に応じて手動でハイビームとロービームを切り替える必要があると結論づけている。

 なお、同試験は2019年1月に実施されており、その後に各メーカーのオートハイビーム機構は新技術によって改善されている。ロービームになっても照射する場所を最適化することで運転中の十分な視界を確保できる機能が充実していることはよく知られている。

 いずれにしても、ひと昔前と比べるとクルマのヘッドライトはLEDの普及によって格段に明るくなったのは事実だ。最近、1980〜90年代のさまざまな旧車に乗る機会があったが、ヘッドライトの明るさについて最近のクルマとの差を痛感したところだ。

 今回の英国運輸省での調査は、あくまでも英国内での話である。だが、その結果が欧州の自動車アセスメントであるユーロNCAPに何らかの影響を及ぼした場合、日本でのJNCAPでもヘッドライトの眩しさに対する改善策が講じられることもあり得るのではないだろうか。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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