ハイエースはフルモデルチェンジせずに継続! 10月に実施される一部改良の中身をキャッチ (2/2ページ)

20周年を記念した特別仕様車も追加される

 法規対応による改良と同時に商品力強化として、スーパーGLベースとなる特別仕様車「DARK PRIME S(ディーゼル・標準ロングボディ・標準ルーフ車のみ)」の新設定と、「DARK PRIME II」の継続設定も行われる。新設されるDARK PRIME Sの最大の魅力は、搭載エンジンが標準搭載仕様に対し最高出力で5%、最大トルクで10%の出力向上が行われていることだ。

 さらに専用装備としては、ダークプラチナサテンメッキのフロントグリルとバックドアガーニッシュ、リヤエンブレムはグレードのほか特別仕様車専用エンブレムを採用、本革巻+カーボン調加飾ステアリングホイール&シフトノブ、カーボン調加飾センタークラスター&シフトベゼルそしてパワーウインドウスイッチベース、シート表皮(専用トリコット+表皮運転席&助手席専用ロゴ付き)となっているとのことである。

 また、現行型(200系)誕生20周年を記念した専用装備として、特別仕様車も含むスーパーGLを対象にフロントドアスカッフプレートも新規メーカーオプションとして設定されるようだ。

 さらに、モデリスタでは従来設定車型については、エアロパーツ(バージョンI・II)の意匠変更、ラゲージユーティリティフレーム、カーゴフレームアッセンブルの廃止、サンシェードをTRDブランドから変更して設定。スーパーGL(特別仕様車も含む)には、シグネチャーイルミブレード、LEDフロントフォグランプバルブ(イエロー)、ラゲージLEDが新規設定される。

 また、TRDでは従来設定車型について、フロントスポイラー(LED付き)、サイドスカート(ステンレススチール)、マッドフラップ、15インチアルミホイール&タイヤセット、15インチアルミホイール&ナットセットについて、TRDからGRパーツへブランドロゴが変更される。フロントフードエクステンション、TRDプロテクションシート、TRDフューエルガーニッシュ、TRDウインカーバルブ、プッシュスタートスイッチ、スポーツシート(運転席用)、ショックアブソーバーセット、15インチアルミホイール「グランヴァードHC1」&ナットセットは設定廃止される。

 海外では、日本において「グランエース」の車名で販売されているモデルを、300型ハイエースとして、ミニバン仕様のほかにもパネルバンなどの商用バン仕様もラインアップしている。調べてみると、アジア市場でも日本でポピュラーとなっている4ナンバー仕様の200型バンは、シンガポールやマレーシアなど一部でのみ正規モデルとしてラインアップされ、300型が主流となっている。とはいうものの、いまもなお世界中(新興国中心)で200型バンは「働くクルマ」として愛用されている。

 ハイエースが世界で愛される理由はその優れた耐久性にあるようだ。中古車検索サイトで10年落ち、つまり2014年式のハイエースバンを検索すると、ディーゼルDXで走行距離10万km強のもので、いまの新車価格の約63%となる209万円という物件があった。走行距離が15万kmオーバーも珍しくなく、ディーゼルのほうが高めの傾向で、全体でもかなり再販価値の高い状況となっていた。

 もちろん、中古車として日本から海外への中古車輸出でも人気が高いことが影響しているのは間違いない。商用車でありながら車両盗難の多いクルマのトップランキングにくることも珍しくないのも、あまり喜べないがそのような事実を物語っているといえよう。

 単なる「はたらくクルマ」を超えてしまった存在感を見せるのがハイエース。300系はその大きさからも、そのまま200系の後継となるのは日本では難しいともいわれている。さらに、200系ぐらいのサイズを維持するならば、BEV(バッテリー電気自動車)も検討しなければならないだろう。そのため、このまま今回のような法規対応を繰り返しながら行けるところまで行くのではないかとの話もある。すでに「伝説の名車」の域に入りつつあるハイエースの今後も多いに気になるところである。


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