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旧いフランス車なんて「超金食い虫」かと思いきや……旧車にかかる維持費のホントをオーナーが語る!

旧いフランス車なんて「超金食い虫」かと思いきや……旧車にかかる維持費のホントをオーナーが語る!

この記事をまとめると

■旧車に乗りたいと思ったときに気になるのが維持費だ

■シトロエンGSとの2年半の生活でかかった維持費は車検を含めても約15万円ほどだった

■旧車で無理をするといろいろな部分に悪影響が及ぶのでいたわりながら乗るといい

旧車との上手な付き合い方

 旧車に興味があるという人は多いと思うけれど、いざ買おうとなると気になるのが維持費かもしれない。ただ、1970年代のクルマを何度か所有したことがあるひとりとして書かせてもらうと、乗り方次第で大きく違ってくると思っている。

 いちばん最近の旧車経験は、昨年5月まで2年半ぐらい乗っていたシトロエンGSだが、手もとに残っている整備記録は3枚しかない。そのうち2枚は車検と12カ月点検なので、トラブルでもち込んだのは1回だけだ。

 このときは気温や湿度の上昇が関係しているのか、走行中に息継ぎすることがあって気になったのと、ボビン式のスピードメーターの照明が消えて見えにくくなっていたため。調整や交換で1万5000円ほどの出費となった。

 その後スピードメーターが動かなくなるトラブルにも見舞われたが、これは昔のスバルのようにエンジンルーム内に積んでいたスペアタイヤを、トランクに移したほうが冷却面でいいという話を聞いたので実行したら、メーターケーブルを引っ掛けて外してしまったというもの。自分ですぐに直した。

 息継ぎについてもその後は、自分でキャブレターの清掃や調整をするようになったので、以降はショップには出さなくなった。原因は東京の空気の汚さにあると感じるようになり、大都市で旧車に乗るのは好ましくないと考えるようにもなった。

 多くの旧車はメカがわかりやすく手が入れやすいので、できることは自分でしたほうが、クルマを知るうえでもいい。軽いトラブルなのにいちいちショップにもち込んでいては、時間もお金も嵩んでいくはずだ。

 残る12カ月点検と車検は、税金や保険料を抜きにして、それぞれ約2万5000円と10万円ちょっとかかった。車検のときは、マフラーからの排気漏れがあったのでテープで応急処理してもらった。

 つまり、車検を含めて2年半で15万円ぐらいということで、それだけ? と思う人もいるだろう。でもそれは、渋滞するとわかっている場所には行かないなど、いつもクルマのコンディションを気にしていたためもある。

 若い頃、当時15年落ちぐらいだったアルファロメオ2000GTヴェローチェに乗っていたときは、クルマはそれ1台で、箱根の山道を思い切り攻めたりしていたので、かなりの出費を繰り返した。

 でもGSのときは、50年前のクルマで、21世紀の東京の環境に合わないことは知っていたので、もっぱらGSが気もちいいと感じる場所に連れて行った。とはいえ動かさないのもよくないので、少し遠くの取材先やイベントへは乗っていくようにしていた。

 還暦を過ぎた自分が、徹夜や朝帰りなどをしなくなり、持病などを考えて食べ物などに気をつけながら、たまにジムに通って汗を流したりする生活と似ている。旧車との生活には、介護のような要素が含まれているのだ。

 もちろん個人の自由なので、トラブルなど気にせずガシガシ使い倒すというカーライフを否定はしないけれど、無理をするといろいろな部分に悪影響が及んでくるというのも、人とクルマに共通している部分だと思っている。

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