部品代の高騰だけが要因じゃない! 日本の「新車価格の上昇」をもたらす複数要因 (2/2ページ)

電動化によってクルマがさらに高くなる可能性

 こうした乗用車市場全体を見た場合、単価上昇の背景には価格の高いハイブリッド車のシェアが伸びていることが主な理由であるとみられる。

 ただし、ハイブリッド車に限らず、新車価格が上昇していることは確かで、その要因は原材料価格や原油価格の上昇が挙げられる。ここでも、ロシアのウクライナ侵攻による直接的な影響や、それに伴う欧州でのエネルギー政策の転換などが関係している。

 また、円安による為替要因によって自動車メーカーの営業利益は上がるが、原材料費に対して円安はマイナス要因になっているともいえる。

 そのほか、自動車部品別で見ると、近年は予防安全に関するアセスメントのハードルが上がっていることで、先進運転者支援システム(ADAS)にかかわる部品購入費用がかさんでいる。

 そして注目すべきは、オートマチックトランスミッションや電子ブレーキ、そして電動式が主流となってきたパワーステアリングなどの導入コストが上昇している点だ。これらを含めて新規の部品コスト上昇が新車価格を押し上げていると分析されている。

 今後、電動化がさらに加速すると、新車を構成する部品にもさらなる変化が起こる可能性もある。そうなると、新車販売台数増による量産効果と、新規部品導入コストがどうバランスを保つのか? その上で、新車価格の上昇は止まらないのか?

 新車市場の動向を今後、ユーザーはさらに注意深く見守ることになりそうだ。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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