ランクルはあまりの人気っぷりにもはやカオス! 転売ヤー対策に苦慮する販売現場とやっと買えても盗難対策に四苦八苦するユーザー (2/2ページ)

新車価格よりも高いプライスで販売されるランクルの中古車

「問題は買い取り価格です。普通ならば減価償却が進み新車時販売価格より安くなるのが一般的です。しかし、ランドクルーザーとなるとその逆でプレミアムがついてしまい、中古車市場では新車時価格より高くなるケースが目立つのです」(事情通)。

 たとえばあるサイトで検索してみると、当年もの(2024年式)の70シリーズ  AXで走行距離が1000kmの物件の車両価格は1089万円となっていた。ちなみにこのグレードの新車販売価格は480万円となっている。

 また、ランドクルーザー70では、2014年式のバンタイプで走行距離3.6万kmの物件が車両価格約513万円で掲載されていた。走行距離は少ないものの、すでに10年が経過しているのに新車販売時の360万円を大きく上まわっている。

「プレミアがついてしまい新車時価格を上まわる中古車価格になるのが当たり前なのがランドクルーザーといえます。そこで、リース契約時に買い取り予想価格の案内をしないようにとセールスマンに指示が出ているディーラーもあるそうです。残価設定ローンでは一部を除き、支払最終回、つまり設定残価は基準をクリアしている限りは市場相場に左右されず当初のものが保証されます。しかしリースでは、アップ時に相場も勘案した再査定で買い取り価格が決まるそうです。そのため、リース契約時に買い取り予想価格を案内してしまうと、買い取り時に算定される中古車相場を意識した正式買い取り価格は予想価格をはるかに上まわるものになってしまうというのです(事情通)」。

 販売チャンネル(トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店/多くの地域で4チャンネルが存在する)によって割り当て台数の違いもあるが、聞いた限りではリースのみではなく、買い取りも可能なディーラーは早めに初期配車分を完売していたので、リースアップ後の買い取りは厳しいと判断した人も多かったのではないかと見ている。

 販売現場ではすでに都市伝説レベルで、ランドクルーザー250がオークションに出品されたとの情報が飛び交っている。「1600万円ぐらいで出品されたようだと聞いております」(事情通)。販売現場では「心底ランドクルーザーに乗りたいというお客さまには大変なご面倒をおかけして申し訳ない」といった声を聞くこともある。

 メーカーやディーラーも好きでこんな面倒なことをやってはいないのは百も承知。しかも、ようやく納車されれば、今度は盗難リスクを最大限意識しなければならない。それでも乗りたいという人は、やはり計り知れない「ランクル愛」があるのだと考えさせられる。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

-

愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

新着情報