英・独を代表するショーファーカー2台の桁外れな贅沢っぷり
続いて、100年以上にわたって英国をはじめ欧州各国の王族・貴族に愛され続けているロールス・ロイスの最上級モデルといえば、ファントムです。お値段なんと6000万円オーバーという、飛び抜けた孤高のショーファーカーとなっています。
それだけにインテリアは最高級の本革、本物のウッドなど、どこにも偽物の素材などないうえに、フロアはフッカフカの絨毯。靴を脱ぐ文化の日本人には土足で乗り込むのがためらわれるほどですが、きっと掃除係がいるから気にしなくていいのでしょうね。
シートはたっぷりとした分厚いクッションで、足もとの絨毯の下に可動式のフットレストを内臓しており、使いたいときだけスイッチひとつでせり上がってくる仕組みです。後席のそれぞれにシアターシステムとピクニックテーブルが備わっていて、アームレストの奥にはシャンパンとシャンパングラス2脚が冷やしておけるクーラーボックスも完備。移動しながらシャンパングラスを傾け、好きな映画を鑑賞、なんて優雅な時間を過ごすことができます。
さらに、助手席のインパネには好みの絵画や写真などが展示できる「ギャラリースペース」があったり、天井に星空が映し出されるという演出もロールス・ロイスならでは。しかもその星空は自分の好きな星座や、オーナーが生まれた日の星空を再現するなど、個別にオーダー可能なのだとか。とことんまで、好きなものに囲まれて移動できるのがファントムなんですね。
さて、最後はやはり、ロールス・ロイスに対抗できるショーファーカーといえばメルセデス・マイバッハS 680でしょう。
メルセデス・ベンツのSクラスより180mmホイールベースが延長されているので、足もとには広々とした空間が広がります。ヘッドレストとオットマンには、フッカフカのクッションが備わっていて身体を預けた瞬間に力が抜けてリラックスできるのを感じます。
前席との空間は完全には仕切られていませんが、けっこう大型な前席の背面やドアインナーパネルなどにはイルミネーションが光り、ちょっとムーディーな雰囲気になっています。
しかもただのイルミネーションではなく、オプションの「アダプティブ・リアイルミネーション」にすれば、室内照明の明るさと色温度を数段階に分けて調整できたり、LEDスポットライトの位置や大きさを調整できるので、読書灯などとして使えるようになるのだそう。
後席左右の間の背面には冷蔵庫があり、後席用のセンターコンソールはドリンクホルダーがシャンパングラス対応。倒れないように爪で固定できるようになっているところや、飲みかけのボトルを冷やしておけるボトルクーラーがついているところなど、芸が細かいですね。
センターコンソールには格納式のテーブルも備わっているので、ノートPCやタブレットを使ったワークスペースとしても活用しやすくなっています。
メルセデスが採用しているAI搭載の会話型インフォテインメントシステム「MBUX」もショーファーカー仕様となっていて、「MBUXハイエンド・リアシート・エンターテインメント・システム」によって、声の操作でディスプレイの映像を再生したり、インターネットコンテンツにアクセスしたりできるのが便利。
また、リヤドアを電動タイプにしておくと、MBUXのインテリアアシストという機能によって、手のジェスチャーだけでドア開閉ができるというからすごいですね。
マイバッハはエレガントなだけでなく、ハイテクショーファーカーといえます。
ということで、さすがは成功者の証であるショーファーカーたち。庶民の私たちも、もし宝くじが当たったときのためにどれにしようか悩んでおきたいものですね。