車名の数字はサイズや排気量とは関係ない?
また「CX」については、マツダのクロスオーバーSUV車のラインアップを表すというのが公式見解ではあるが、後ろにつづく数字についても絶対的なルールがあるとはいえないだろう。
たとえばCX-30とCX-5の関係だけを抜き出せば「数字が大きいほど車格が上になる」というルールが通用しないことはあきらかだ。CX-30についてはCX-3というSUVラインアップのエントリーモデルの兄貴分というサイズ感なのだ。そうであれば、CX-4という名前にすればよかったのでは? と思いたくもなる。
もっとも、CX-4という名前はCX-5のクーペバージョンともいえるモデルの名前としてグローバルモデル(中国向け)に使われたこともあり、混乱を考えると日本において異なるモデルに使うわけにはいかなかったのだろう。ちなみに、マツダの北米向けラインアップには「CX-50」というCX-5をワイド&ローにしたようなシルエットのモデルも展開されている。
CX-3とCX-30、CX-5とCX-50の関係だけを見ると、CXの二桁数字モデルは、なにかの発展形という風なルールがあると想像したくなるが、ご存じのようにそれは間違った認識だ。
新世代のSUVの主役となる「CX-60」は、CX-5とは異なる流れにあることはいうまでもない。エンジン縦置きのFRプラットフォームに基づく『ラージ商品群』のエントリー的モデルというのがCX-60の位置づけであり、CX-60をストレッチした3列仕様がCX-80、CX-60のワイド版がCX-70となり、CX-70のストレッチ版はCX-90とされるのが、現時点でのグローバルなモデルラインアップとなっている。
日本では「MX-30」だけにしか使われていない“MX”というアルファベットは、じつは北米ではロードスターに使われていたりする。彼の地においては「MX-5 MIATA(ミアータ)」というのが日本でいうロードスターの車名となっている。ミアータというのは初代ロードスターのペットネームであり、日本でも初代モデルからの伝統を受け継いでいるのと同様だ。
なお、MXというアルファベットについては、初代ロードスターと同時期に登場したスポーツクーペなどに使われてきた過去がある。MX-30にしても観音開きドアのクーペSUVというスタイルからすると、歴史的にはMXを使うのは納得できるところだ。