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王者センチュリーの対抗馬として誕生するもたった59台で終了! 初代三菱ディグニティが歩んだ悲劇の道 (1/2ページ)

王者センチュリーの対抗馬として誕生するもたった59台で終了! 初代三菱ディグニティが歩んだ悲劇の道

この記事をまとめると

■三菱はかつて高級車として「ディグニティ」というモデルを製造していた

■トヨタ・センチュリーの対抗馬として登場したがセールスは不振に終わった

■2代目は日産シーマのOEMモデルとして登場した

たった59台しか造られなかった激レア高級車

 ミレニアムの2000年2月に、三菱自動車から自社製造のディグニティというリムジン(初代)が発売されていたことをご存じだろうか。三菱自動車の一般ユーザー向けの最上級セダン、プラウディアをストレッチしたモノグレードのリムジン仕様であり、対象は主に法人向けだった。つまり、トヨタのセンチュリーの対抗馬である。

 ボディサイズは全長5335×全幅1870×全高1485mm、ホイールベース3080mmの堂々としたもので、ボンネット先端の羽を模したマスコットや、いかにもストレッチしました……と見えるドア部分、センターピラー部分に2本のマーカー(スモールライト連動)が備わっていたのも特徴だった。

 パワーユニットは8A80型のプラウディア最上級グレード同様の横置きGDI、4.5リッターV8、280馬力、42.0kg-m+INVECS-II5、5速ATの組み合わせで、駆動方式はFF。タイヤサイズは225/60R16だ。

 後席を最優先したリムジンではあるものの、グレー内装の前席も豪華。ウッド&レザーのステアリング、木目パネル、インパネにはMMCSモニター&ナビ、フルオートエアコンの操作パネル、カセットデッキ(懐かしい!!)などが配され、シートはもちろんパワー付きの豪華なレザーシートであった。

 後席に目を移せば、まずはリヤスイング式にして、イージークロージャ―付きのドアが高級感を醸し出す。そう、最後にスッと自動的にドアが静かに閉まるスマートさなのである。左右独立の後席は当時の本革高級ソファそのもの。ふんぞり返るに相応しいかけ心地、豪華さがあった。

 コンソール内には独立温度調整(左右別!!)機能、オーディオスイッチを備え、4ゾーンのエアコン吹き出し口(ルーフとセンターコンソール後端)、モニター、ドリンクホルダーなどを完備。センターコンソールの蓋の内側にはナビやTV操作用のリモコンも用意されていた。

 その走行性能はさすが、当時の三菱自動車の技術の粋を集めただけあって、静かでスムース。路面を滑るような感覚だったとされる。

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