ハチロクに間違われた……とか悲劇すぎる! 大ヒット前夜の「S12シルビア」はもうちょっと評価されてもいい日陰の名車だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■1965年に登場したシルビアはいまでも人気が高いクルマだ

■大ヒットモデルであるS13の前にはS12というモデルがあった

■S12の人気はそこそこであったがハイテク装備満載でスポーツテイスト全開だった

影に隠れたS12シルビアとは

 1965年に初代が登場した日産シルビア。クリスプカットと呼ばれたスタイリングは当時の日本車のなかでも特別な存在感を示していた。そしてシルビアは進化を続け、いまも根強い人気を誇る5代目S13型シルビアは、シルビアの伝統であるFR(後輪駆動)にこだわったスポーティ2ドアクーペとして、当時大流行したホンダ・プレリュードと並ぶデートカーとして、あるいは走り屋の憧れの1台として日本車の歴史を刻んだ1台となっている。

 しかし、シルビアの歴史のなかで、あまり注目されなかったのが、伝説的名車、トヨタのAE86が登場した同年、1983年にデビューした、低いノーズと直線的なスタイリングが特徴のS12型、4代目シルビアだった。スーパーカーを思わせるリトラクタブルヘッドライトが特徴の2ドアクーペと3ドアハッチバックが存在し、とくに2ドアクーペのほうは、いまでも伝説的国産スポーティカーのAE86とも似た、「白い稲妻」をキャッチコピーで登場。

 パワーユニットはCA18型1.8リッターのNA2種とターボ(135馬力、20.0kg-m)、FJ20E型2リッター NA(150馬力、18.5kg-m)、FJ20ET型ターボ(190馬力、23.0kg-m/ツインカムターボRS-X)を用意(いずれもグロス値。発売当初。ミッションは5速MTと4速ATを組み合わせていた)。

 装備面の特徴としては、国産車初のチルトアップ電動サンルーフ、マイコン制御のオートエアコン、キーレスエントリーシステムなどが採用され、スペシャルティカー色、ハイテク感を強めたことだ。また、1986年のMC時には2リッターエンジンを廃止、1.8リッターエンジンに統一されている。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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