いざ当事者になるとパニックになる人だらけ! クルマの「よくあるトラブル」3つと覚えておくべき対処法 (2/2ページ)

乗車前の各種チェックを習慣にしておこう

 続いて、パンクをしたときの対処法です。最近はスペアタイヤではなく、パンク修理キットを積んでいる車両がほとんどとなっています。使い方はその修理キットにより異なりますので、よく説明書を読んでから使用しましょう。作業をする際の注意事項としては、まず作業のために停車する場所として、ほかの交通がなく平らな場所を探します。砂利道や、草が多く生えているような場所は避けましょう。

 また、クギやネジが刺さってしまったことによるパンクの場合は、慌てて抜かないでそのまま修理キットを使用します。あくまで応急処置なので、整備工場まで自力で走っていくためのものと心得ましょう。修理キットには、処置後に走れる距離、速度、時間などが書かれているので、それを守って走行してください。

 もし、タイヤのゴムが裂けてしまうようなバースト状態になったら、修理キットでは対処しきれませんので、救援を要請しましょう。スペアタイヤを積んでいる場合には、ジャッキ、ホイールナットレンチ、ジャッキハンドル、輪止めが揃っているかを確認。

 平らな場所で、パンクしたタイヤの対角線上にあるタイヤを輪止めで固定し、パンクしたタイヤのナットを少し緩めた状態でジャッキアップします。この際、ジャッキアップポイントをしっかり確認し、パンクしたタイヤが少し地面から浮くまでの高さにします。ナットをすべて外し、パンクしたタイヤを取り外してスペアタイヤに交換。

 ナットを仮締めする順番は、最初に時計の1時の位置、2番目が8時の位置、3番目が3時の位置、4番目が10時の位置、最後に5時の位置(5穴の場合)。2〜3回にわけてまわし、タイヤがガタつかないくらいになったら、ジャッキで車体を下げてジャッキを外します。仮締めのときと同じ順番で本締めをし、輪止めを外して完了です。

 これで再び走り出すことができますが、応急用のスペアタイヤの場合は、なるべく早く本来のタイヤに交換しましょう。

 続いて、落輪・落込の対処法です。脱輪ともいいますが、タイヤが車道を踏み外して動けなくなった状態のことをいいます。側溝や畑、川といったところに落ちたり、縁石に乗り上げたり、雪や砂・泥などでスタックした状態も落輪と呼ばれることがあります。

 自力で脱出できるかどうかを試す場合は、左右にハンドルをいっぱいに切って、落輪したタイヤが動くかどうかトライしてみます。側溝などの縁にタイヤが引っ掛かり、脱出したい方向に向いていれば、アクセルを力一杯踏んで復帰できる可能性があります。ジャッキがあれば、車体を持ち上げてから落輪したタイヤの下に鉄板などをかませて、脱出する方法もあります。

 とくに雪や砂などでスタックした場合は、空転するタイヤの下にフロアマットや古毛布、板などの滑りにくいものを敷き、脱出する方法があります。アクセルを踏むと同時に、周囲に協力者がいる場合には後ろから車体を押してもらうと、より成功する確率が高くなりますが、タイヤの下に敷いたものが勢いで跳ね飛ばされてしまうこともあるため、安全確認を怠らないようにしましょう。

 自力で脱出できない場合は、牽引ロープを持った救援車に引っ張り上げてもらうか、JAFなどのロードサービスに救援を要請しましょう。

 このように、トラブル対処法が頭に入っていれば、万が一の際にもパニックにならずに済むと思いますが、いずれも時間や労力がかかり、とても大変です。何も起こらないのがいちばんなのは変わりませんので、日頃からのメンテナンスと乗車前のタイヤチェック、オイルチェック、バッテリーチェックをぜひ習慣にしてほしいと思います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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