「どう考えても相手が悪いだろ」でも自分にも過失があることも! 交通事故の「過失割合」はどう決まる? (2/2ページ)

動いていれば過失が発生するのが基本

駐車場で駐車しているクルマに接触する事故

 駐車場の枠内に駐車しているクルマに接触する事故では、基本的に追突した側の責任が重くなります。一方、駐車場の枠から発進しようとしたクルマと通路を走行しながら停める場所を探しているクルマが接触した場合は、駐車場の枠内から発進しようとしたクルマの過失割合が高くなります。基本的な過失割合は、駐車場枠から発進しようとしたクルマが70%、通路を走行していたクルマが30%です。

駐車枠に停めるために後退し始めたクルマと駐車場の通路を走行してきたクルマの事故

 駐車場では、そのほかにも駐車しようとして後退を始めたクルマに通路を走行してきたクルマが接触してしまう事故も発生します。この場合は、通路を走行していたクルマの過失割合70%、駐車するために後退していたクルマの過失割合30%が基本です。

走行中に一方がセンターラインをオーバーする事故

 走行中に一方がセンターラインを超えてきた場合の事故も、ドライブレコーダー映像などで目にすることがあります。このようなセンターラインオーバーの事故は、センターラインをオーバーしたクルマの過失割合が100%です。過去の裁判でも100:0の判例となっているケースがあります。

赤信号を無視したクルマとの事故

 赤信号を無視して交差点に進入するという極めて危険な運転をする運転者もドライブレコーダー映像で見ることがあります。この信号無視による交通事故も、信号を無視した側の過失割合が100%です。過去の裁判でも、信号無視したクルマが100%、被害を受けたクルマが0%という判決が下されています。

左折しようとしたときに対向右折車が無理やり入ってきて接触した事故

 交差点を左折しようとしたときに、対向右折車が無理矢理交差点に進入して接触するという事故では、右折車の過失割合が80%、左折車の過失割合が20%となるのが基本です。

事故の際は必ず通報と保険会社に連絡

 ここまで、主な事故事例と基本となる過失割合を紹介していましたが、明らかに納得できるものと、なぜ過失割合が発生するのかわからないという事例があります。

 ただし、ここで紹介した事例と過失割合は、あくまでも基本となる割合です。実際の事故では、事故当時の状況によって過失割合が変わることがあります。

 そのため、交通事故が発生したときは、当事者同士で基本的な過失割合をもとに勝手に判断して示談するのではなく、必ず警察への通報と保険会社への連絡をして、客観的に事故の状況の確認や過失割合を判断してもらいましょう。


齊藤優太 SAITO YUTA

ライター/インストラクター/ジャーナリスト

愛車
A4 35 TDI
趣味
ドライブ・洗車・音楽鑑賞・楽器演奏
好きな有名人
BLUE MAN

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