この記事をまとめると
■トラックは乗用車と比較して空気抵抗が大きい
■Cd値(空気抵抗係数)は0.5~0.9だという
■これ以上空気抵抗を減らすことはできないのか解説する
トラックのCd値は0.5~0.9
エンジンの上にキャビンが乗っているハイキャブは、スペース効率に優れるけれども角が丸められた程度の四角い箱型なので、空気抵抗が大きいことは否めない。高速道路を走っている大型トラックは、堂々としたフォルムだけれど、いかにも空気の壁にブチ当たりながら走っているように見えるだろう。
高速道路を走っているときのクルマは、走行抵抗の過半数以上が空気抵抗となる。空気抵抗は速度の二乗で増えていくので、速度を80km/hから90km/hに上げるだけで3割も抵抗が増えてしまうことになるのだ。
クルマの空気抵抗は前面投影面積とCd値の積で算出することができる。Cd値(空気抵抗係数)とはクルマの空気抵抗を計測して、それを前面投影面積で割った数値で、前面から見えない部分の形状や仕上げがどう空力性能に効いているのかも含めて割り出した数値だから、この公式が成り立つのだ。
乗用車は相対的にサイズが小さいだけでなく、ボディの隅々にある段差を滑らかにして空気抵抗を減らしている。そのため、Cd値は0.24~0.3程度(ワンボックスなどはもっと高い0.5前後)となっているが、トラックは0.5~0.9程度と空気抵抗が大きいのだ。とくに大型トラックはどんどんグリルが大きくなり、空気を取り込む部分が大きくなっているので、なかなか空気抵抗を減らすことは難しい。