消防車は進化している
それでも近年では、海外メーカーとの差別化を図るためにも、デザイン性も重視した大型消防車が登場している。また、消火のための技術も進歩が早く、時代の流れに対応した新しい消火装置なども開発され、導入されている。
ここ最近では、大きな倉庫火災が発生し、窓のない建物の消火に苦労したことから、建物の壁を突き破って消火する機能をもった消防車も登場している。また、酸素を絶つことで消火を早める機能をもった特殊な消化装置も開発が進められている。
小規模なメーカーや軽自動車ベースの消防車などは仕様が決まっているものもあるが、それでもある程度の仕様変更は可能だ。どれも大量生産ではないから対応できることだろう。
救急車も基本的には手作りに近い。細かな仕様によって違いがあるため、1台1台内容が異なるそうだ。ちなみにトヨタのレース部門であるTRDはブランドであり、運営している会社はトヨタカスタマイジング&デベロップメント(旧社名トヨタテクノクラフト)なのだが、ここでは特装車も製作しており、救急車もそのひとつだ。
市民の安全と生命を守るためのクルマとしては、2億円(ハシゴ車など大型車の場合)でも安いというのがネット民の大半の意見のようだ。稼働率なども計算することはできるだろうが、これらのクルマは稼働率が低いほうがいいのだから、それも損得では測れないこと。
日本の消防車は海外にも輸出されており、高い評価を受けている。それも丁寧な作りと精度の高い部品により、長く高い信頼性を維持することができるからだ。
価格が安くても、いざ出動というときにトラブルが起こってしまってはまったく意味がない。緊急自動車は、一般のクルマとは求められている耐久性や信頼性も桁違いなのだ。