腰痛持ちも多数いる長距離トラックドライバー! プロが実践している「悪化させない」対策方法とは? (2/2ページ)

木製ビーズのクッションを使っている人が多い

 そもそも、腰痛は長時間同じ姿勢をすることによって生じる血行障害が要因のひとつとして挙げられよう。ゆえに、そのような負担を軽減する、冒頭の「正しい運転姿勢(シートポジションの調整)」が大切になってくるわけだが、その姿勢を長時間保持し続けるのは難しいという問題がある。

 そこで、多くのトラックドライバーは血行不良を防ぐために、こまめに水分補給をするなどといったことを心がけている。

 さらに、休息の際には運転席から降りてストレッチをし、腰を伸ばして体を動かすといったことも行っているのだ。悪天候などで車外に出られないときは、背もたれを倒してシートを下げ、伸びができるような体制を作り出し、体を伸ばすようにしている人も多い。

 運動器具を設置した広場を持つSAやPAもあるので、それらを積極的に活用しているドライバーもいる。こういった設備は、街なかの公園でもよく見かけるようになった。トラックは専用駐車場が必要だが、乗用車なら近くのパーキングに停められるので、さらに利用しやすいといえるのではないだろうか。

 また、グッズを使用して腰の負担を軽減するというアイディアもある。昔から使われていて、比較的ポピュラーなのは木製ビーズのクッションだろう。丸い木製の玉(ビーズ)が「ツボ押し」のような役割を持ち、腰などに心地よい刺激を与えてくれる。

 現在は、低反発タイプの小型クッション(ランバーサポートクッション)が増えており、背もたれと背中の間に設置することで腰の負担を軽減する効果を持つ。

 また、着用するだけで効果が期待できるインナーウェアも登場した。いわゆる、リカバリーウェアと呼ばれるものだ。温熱効果があって体を温め、血行を促進すると同時に疲労回復にもつながるという。不幸にして腰痛を発症した際には、腰痛ベルトを使うトラックドライバーも多い。これは、腰を締めるように巻く腹巻のようなベルトだ。背中部分に支えとなる芯が入っており、腰をかばうので腰痛が緩和される。

 ただ、発症していない段階で予防的に使用すると、本来腰を支えるべき筋肉などが弱ることがあるので注意が必要だ。

 このように、トラックドライバーはさまざまな方法を取り入れて、自衛的に長時間運転の負担軽減を図っている。こういったアイディアは現場から生まれてきたものだから、一般ドライバーも参考にすることができるのではないだろうか。


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