「うっせーな」とか言わないで! 対策は十分してるけど「トラック」が「騒音」から逃れられないワケ (2/2ページ)

トラックのタイヤはノイズが発生しやすい

 タイヤからも騒音となるノイズが出ており、それが「ロードノイズ」「パターンノイズ」といわれるものだ。前者は路面とタイヤが接触するときに発生するもので、比較的低い音であるために耳障りに思う人が多い。道路状況によって音の強弱や質が変化することも多いので、タイヤだけで対策するのは難しいという一面をもっている。

 後者は、トレッドパターンを構成するタイヤの溝に含まれる空気が走行中に圧縮され、タイヤが地面から離れた瞬間に膨張することで発生するノイズだ。比較的高い音で、走行速度によって変化するという特徴をもつ。乗用車であれば、コンフォート系のタイヤを使用するなどという対応もできるが、トラックは貨物という特性から凹凸の際立つパターンが多く、ブロックの形を変えるなどして共鳴を防ぐなどの手段を講じても、比較的ノイズが発生しやすい。

 このほかにも、走行時の風切り音がある。乗用車は風洞実験などを通じて空力抵抗の少ないデザインを採用しているが、トラックは積載効率が重要視されるために、電車でいう切妻型(食パン型)のデザインになっているものがほとんどだ。後部も、箱バンなどは空気が渦を巻きやすく、条件次第では風切り音が発生する。箱バンや大型・中型トラックなどでは、導風板を取り付けて騒音の軽減を図っている。

 このように、トラックはその特性から乗用車よりはどうしても騒音が発生しやすい状況にあるのだ。また、走行時以外でも荷物の積み下ろしの際に騒音が発生することもある。これらの騒音に関して、国は「騒音規制法」で「自動車騒音に係る許容限度」を定めている。トラックメーカーや運送事業者などトラックに携わる人たちは、この基準に合わせて環境に優しいトラック輸送のために、日々努力を重ねているのだ。


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