この記事をまとめると
■トラックの騒音は悪条件が重なるとかなりうるさい
■発生源は複数存在する
■音を抑えるための工夫もされている
走行中の車内の音は約60dB
トラックの騒音は決して小さくはなく、悪い条件が重なると「公害」といえるレベルに達する。音の大きさはdB(デシベル)という単位で表されるが、寝息が聞こえるような静寂な状態が約20dBで、走行中の自動車内では約60dB(一般道路の場合、高速道路では70dB程度)だといわれている。トラックが一般道を走行するときに発する音は、道端で計測するとおおよそ77~84dBに達し、かなり大きな声を出さないと会話が成立しないぐらいの騒音だ。
音はトラックのいろいろな場所から発せられていて、それらが合わさったり共鳴したりして大きな音になっている。その発生源はいくつかあるが、まず問題とされるのはエンジンから発せられる音だ。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンは、ともに内燃機関であるために圧縮・爆発などの過程において、どうしても振動や燃焼音が発生する。とくにディーゼルエンジンはその構造上、燃焼圧が高いので振動とともに耳障りな「ガラガラ」音が発生してしまうのだ。ちなみに、現在注目されているEVトラックは、電気モーターを使用しているのでたいへん静寂性が高い。
トラックのマフラーから聞こえるのは排気音だ。エンジンから排出された高温・高圧の排気ガスは、大気に触れたときに急激に膨張する。このとき、空気を震わせて大きな音を発生させるのだが、これを低減するためにマフラー(消音器)を使用する。
排気音には規制があり、これに適合したマフラーをつけなければならない。なかには市販品のマフラーに交換しているトラックもあるが、規制値をクリアしているなどの適合品であれば問題はない。注意が必要なのは、経年劣化や接触などにより損傷している場合だ。マフラー自体は適合品でも、損傷があると規制値を上まわる騒音が出ることが多い。