いまや貴重なコンパクトセダン! トヨタ・カローラセダンとは (2/2ページ)

セダン以外のボディタイプも用意

現行カローラシリーズ

 現行モデルはセダン以外にも多彩なボディタイプを用意しています。

 セダンをベースに開発されたツーリングワゴン。先代はフィールダーと名付けられていましたが12代目から名称が変更されました。

 12代目カローラとして最初に販売されたのが5ドアハッチバックのカローラスポーツ。セダンとは異なり全幅は1790mmと、グローバルモデルと同じワイドボディを採用しているのが特徴です。

 また、歴代カローラで初となるSUVのカローラクロスもラインアップ。

 国内での販売より先に東南アジアで先行し販売されていた同車は、日本で2021年9月から販売開始。海外モデルとは違う専用のフロントマスクを装備しています。

個性的だった歴代カローラセダンを振り返る

「80点主義」をテーマに開発されてきたカローラセダンですが、歴代モデルを振り返ると注目したいモデルや個性的なモデルも少なくありません。

すべてはこのモデルから始まった
初代(1966〜1970年)

 現在までに続くカローラの礎を築いた初代は1966年に登場。当時、トヨタのエントリーカーだったパブリカよりひとクラス上の大衆車として開発されました。

 長年、ライバルとして競い合っていた日産サニーが搭載していた1リッターエンジンより排気量をやや大きくした1077ccエンジンを搭載。「プラス100ccの余裕」をキャッチコピーにしたことなど、ライバルより上級なことを売りにしていました。

 また、国産車初となる四輪ストラットサスペンションを採用するなど、機能面を重視していた割には40万円台後半とリーズナブルな価格で売り出したことで大ヒットとなりました。

シリーズ最多バリエーションを誇った最後のFR車
4代目(1979〜1983年)

 初代、2代目、3代目と大きくイメージを変えた直線基調のエクステリアデザインを採用した4代目。セダン、2ドアクーペ&ハードトップ、3ドアリフトバック、さらにバンをモデルチェンジしラインアップに加えました。

 デビュー当時は1.8リッター直4ガソリンエンジンを用意していましたが、デビューから2年後のマイナーチェンジで改良型1.5リッター直4エンジンを搭載したことで廃止。ただし、1982年には1.8リッター直4ディーゼルエンジンが追加されています。

 4代目はスポーツモデルのレビン、またバンを除きカローラ最後のFRモデルとなりました。

シリーズ初となるFFレイアウトを採用
5代目(1983〜1987年)

 シリーズ初となるFFプラットフォームを採用した5代目。国内向けとしては初となるドアミラーを採用するなど、歴代モデルのなかでも大きな変革を遂げたモデルとなりました。

 FF化されたボディタイプはセダンと5ドアリフトバックを新たに追加。1.6リッターエンジンを搭載する上級仕様には、このクラスでは当時珍しい4速ATが組み合わされました。

 また、1984年にはハッチバックモデルのカローラFXが追加されています。

 ただし、2ドアのスポーツモデル、レビンは先代のプラットフォームを踏襲し、FRのまま開発されました。それがいまだに人気が高いAE(85&)86です。

 5代目は新たな大衆車像を提案すべく、装備はもちろん機能面でも大きく進化したのが印象的でした。

ミニハイソカー路線もバブル崩壊で不人気に
7代目(1991〜1995年)

 当時、バブル景気に湧いていた日本で高級化路線に舵を切った6代目カローラは歴代でもっとも売れたモデルとなりました。

 7代目も先代に引き続き、豪華・高級路線を継承し登場。ハイソカーとして人気を得ていたマークIIなど上級モデルに匹敵するほどの装備も用意されていました。

 パワーユニットは一部の商用モデルを除き、全グレードがDOHC化。1.6リッター直4エンジンは5バルブとなるなど、装備だけでなくメカニズムも上級モデルに迫る機能を装備しています。

 ただ、時代はバルブ経済崩壊を迎えており、豪華さを誇った7代目は6代目ほどの人気を得ることはできませんでした。

保守的なスタイルから先進的デザインを採用
9代目(2000〜2006年)

 8代目からプラットフォームを一新し、ボディサイズを拡大して登場したのが9代目です。

 簡素化した外観が不評を買った先代の反省を活かし、見た目の質感を重視。ただ、リヤサスペンションをトーションビーム式(FF)としたことなど、見えない部分はコストダウンが図られました。

 ボディタイプはセダンと、ワゴンのフィールダーを用意。トールワゴンのスパシオも2001年にモデルチェンジされています。

 パワーユニットは1.3リッター、1.5リッター、1.8リッター直4ガソリンエンジンと2.2リッター直4ディーゼルエンジンをラインアップ。歴代モデルと比べて車格がやや上に位置づけられました。

まとめ

 冒頭で述べたように、貴重なコンパクトセダンとなった現行カローラ。セダン離れが進んでいるとはいえ、世の中にはまだセダンを必要とするユーザーがけして少なくないなか、販売が続けられているのはさすがトヨタというべきでしょう。

 また、グローバルモデルと同じプラットフォームを使用しつつも、小型化していることも同様。軽自動車や一部ミニバンを除くと国内専売車は少なくなりましたが、国内ユーザーが求めるニーズを組んで開発されたカローラセダンは貴重なモデルです。


手束 毅 TEZUKA TSUYOSHI

フリー編集者/ディレクター

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ゴルフ、食べ飲み歩き
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