R33型スカイラインとは? 詳しく解説! (2/2ページ)

幻のモデル“NISMO 400R”とは

ハイパフォーマンスモデル「R33型スカイラインGT-R」

 R33型スカイラインがデビューしたあともR32型が継続販売されていたGT-R。1995年に満を持して登場したR33型GT-Rは当時、同車が参戦していた「スーパーN1耐久」(現・スーパー耐久)に勝つため、ベースモデルとしての基本性能を、R32型より大幅に高めることをテーマに開発されました。

 パワーユニットは先ほど述べたようにチューニングを施したRB26DETT型2.6リッター直6ツインターボエンジンを搭載。大容量マフラーの搭載をはじめ、排気系を見直したことで排気抵抗の低減を可能としています。

 前後サスペンションはR33型スカイライン同様、4輪マルチリンクサスペンションを採用。R32型と同様に電子制御トルクスプリット式4WDシステム“ATTESA E-TS”を採用しました。

 ただ、R33型GT-RのVスペックにはアクティブLSDとABSを組み合わせた“ATTESA E-TS PRO”を標準装備。進化した4WDシステムの採用でハンドリングの向上に寄与しています。

 R33型GT-Rは、1996年にル・マン24時間レース参戦記念の“LMリミテッド”、1997年にはスカイライン生誕40周年を記念した“オーテックバージョン40th ANNIVERSARY”といった限定車を追加。

 なかでも99台限定で販売された“NISMO 400R”は幻のモデルともいわれる希少なモデル。迫力ある外観を身につけただけでなく、パワーユニットも最高出力400馬力を発揮するRB-X GTC型2.8リッター直6エンジンを搭載しました。

デビュー時の車種体系

 R33型スカイラインは4ドアセダン、2ドアクーペ、GT-Rと大きくわけて3つのボディをラインアップしています。

 また、パワーユニットは2リッター、2.5リッター NA&ターボ、GT-Rに搭載される2.6リッターターボといずれも直6ガソリンエンジンを用意。R32型スカイラインまで用意されていた4気筒エンジンがラインアップから外れました。

R33型スカイラインデビューからの進化を辿る

 R33型スカイラインは、1993年8月のデビューから次期モデルとなるR34型にフルモデルチェンジされる1998年まで追加モデルやマイナーチェンジ、一部改良などが施されました。

 まず1993年11月に4WD仕様のGTS-4(4ドアセダン&2ドアクーペ)を追加。同車にはRB25DE型エンジンを搭載しています。

 1995年1月には待望のスカイラインGT-Rを発売。

 1996年1月にフロントマスクをはじめとした意匠チェンジや、デュアルエアバッグを全車標準装備するなどのマイナーチェンジを実施。4ドアセダン、2ドアクーペともにボンネットフードやフロントバンパーのデザインを変更したことで精悍さが増しています。

 この意匠チェンジはR32型と比べて販売が低下したことに対してのテコ入れで、同時にスポーティグレードを追加するなどの変更も行われました。

 1997年2月にはスカイラインGT-Rをマイナーチェンジ。ヘッドライトをプロジェクター式キセノンランプに変更、フロントスポイラーを大型化&エアインテークを追加するなどワイド感を強調したデザインに変更しています。

 デザイン以外にもサスペンションやブレーキの性能向上を図るなど、走行性能にも手が加えられました。

 R33型スカイラインは1998年に生産終了。スカイラインGT-Rも同年生産終了となりました。

まとめ

 筆者は5〜6年ほど前に、イギリスのフォードで働いていたデザイナーと飲む機会がありました。当然、日本車についての話をつまみに飲んだのですが、彼が「R33型スカイラインGT-Rは、いまでも手に入れたいほどクールだ」と話していたことをいまだに覚えています。

 R33型スカイラインGT-Rはイギリスに輸出されていたこともその理由なのでしょうが、正直、同車をR32型やR34型と比較した場合、「パッとしないクルマだな」と思っていた私にとって、当時、なぜ好きなのか理解することができませんでした。

 ただ、今回改めてR33型スカイライン&GT-Rを振り返ってみると魅力が多く、パッとしないと感じていたデザインでさえかっこよく見えてきたのも事実。

 実用性(居住性)と走行性能を併せ持つスポーツセダンとして、R33型スカイラインは高い実力を備えていたことに、いまさらではありますが気がつきました。


手束 毅 TEZUKA TSUYOSHI

フリー編集者/ディレクター

愛車
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趣味
ゴルフ、食べ飲み歩き
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