ホンダ・シビック タイプRってどんなクルマ? 歴代モデルと最新6代目を詳しく解説! (2/2ページ)

歴代シビックタイプRを振り返る!

初代(1997年)

 1992年に登場したNSX タイプRを皮切りにインテグラ タイプRと続いた、ホンダのタイプR戦略。6代目シビックが1997年にマイナーチェンジを施したタイミングで登場したのが初代シビック タイプRです。

 6代目シビックのスポーツグレードSiRに搭載されていたB16A型1.6リッター直4DOHCエンジンをベースにチューニングを施した、B16B型1.6リッター直4DOHCエンジンを新たに開発。SiRから15馬力パワーアップし185馬力を実現しました。

 エンジンだけでなく外観も専用のフロントアンダースポイラーやリヤアンダースポイラーを装備し、シフトノブはチタン製削り出しを装着。フロントシートは現行モデル同様、赤で仕立てられています。

2代目(2001年)

 シビック タイプRの2代目が登場したのは2001年。初代とは異なりイギリス工場で生産される輸入モデルとなります。

 国内生産されなかった大きな理由は7代目シビックの国内モデルには3ドアハッチバックが用意されなかったこと。欧州モデルに設定した3ドアハッチバックをベースに開発されたタイプRは、K20A型2リッター直4DOHCエンジンを搭載しました。

 同エンジンの最高出力は215馬力。排気量が拡大したことや軽量フライホイールを採用したことなどでパワーアップしたのはもちろん、エンジンレスポンスも大きく向上しています。

3代目(2007年)

 “あえて”シビックらしい3ドアハッチバックにこだわった先代からシビック タイプR初となる4ドアセダンとなった3代目。

 8代目シビックにハッチバックモデルがなくなってしまったことが大きな要因でしたが、3代目は現行モデルにも通じるサーキットで速いスポーツカーを目指し開発されました。

 パワーユニットは先代同様K20A型2リッター直4DOHCエンジンを搭載。ただ圧縮比を高めたことや排気系を見直すなどで最高出力は225馬力まで高められています。

 高められたパワーを受け止めるサスペンションも強化されていますが、3代目はガチガチにかためられていたのが特徴。サーキットでは異次元の速さを誇る一方、街乗りでは扱いづらいデメリットも有していました。

タイプRユーロ(2009年)

 セダンとなった3代目とともに、8代目シビックをベースとしたタイプRはもう1台ありました。国内投入時期を踏まえると3.5代目ともいえるタイプRユーロとは2代目同様、欧州仕様の3ドアをベースに開発されました。

 3代目同様、K20A型エンジンを搭載していましたが、最高出力や最大トルクをおさえたことで走りはマイルド。2010台の限定発売でしたが、しゃかりきに速さを追求した3代目よりスタイリッシュなうえオールマイティに楽しめるスポーツカーとして人気を博しています。

4代目(2015年)

 タイプRのベースとなる9代目シビックが国内で販売されなくなったことで、4代目は2代目やタイプRユーロ同様に欧州仕様(5ドアハッチバック)をベースに開発されました。

 国内で750台の限定販売となった4代目は先代同様、サーキットでの速さを追求。ニュルブルクリンクで7分50秒63と当時のFF車としては最速のラップタイムを記録しています。

 欧州仕様の5ドアハッチバックから、フロントオーバーフェンダーや大型リヤスポイラーなどを装備したエクステリアデザインは迫力満点。装着されたエアロパーツは見た目だけでなく空気抵抗を抑えるなど、高速走行に寄与しました。

 パワーユニットはK20C型2リッター直4DOHCターボエンジンを搭載。最高出力310馬力と、先代モデルから大幅にパワーアップされています。

5代目(2017年)

 限定販売となった4代目の後継モデルとなった5代目は、ベースのシビックとともに国内で通年販売となりました。

 先代同様、5ドアハッチバックとなった5代目は引き続き、K20C型2リッター直4DOHCターボエンジンを搭載。燃焼効率を高めたことなどで、最高出力は320馬力までパワーアップしています。

 5代目は先代同様、ニュルブルクリンクのラップタイムにこだわり7分43秒80と大幅にアップすることを実現。電子制御アダプティブダンパーやトリプルエキゾーストシステムを採用したことや、リヤサスペンションをマルチリンク式に変更したことなどが貢献しています。

まとめ

 2022年に登場した現行型シビック タイプRは高い人気を博し、現在、新規受注を停止しています。

 同車は月産400台と発表されていましたが半導体不足による生産の遅延によることや、2022年末の段階で約2万台の受注があったことが原因。ただ、スポーツカー離れが進むなかこれほどの人気を得ていることが驚きです。

 その人気は今回紹介した歴代モデルが長年に渡って培ってきたことは間違いないでしょう。

 ミニバンやSUV、軽スーパーハートワゴンが販売の主役となったホンダですが、同社が持つレーシングスピリットを元に妥協を許さず走りを追求したシビック タイプR。他車とは違う至高のFFスポーツとして、ファンから熱狂的に受け入れられています。


手束 毅 TEZUKA TSUYOSHI

フリー編集者/ディレクター

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ゴルフ、食べ飲み歩き
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