この記事をまとめると
■2年目のフォーミュラジムカーナRd.2が福島県のエビスサーキットにて開幕
■書類選考によって選ばれた東日本地域にある大学が10校参加
■2024年度からは女子クラスも新設された
フォーミュラジムカーナRd.2が開幕!
昨年、書類選考によって選ばれた全国の大学に所属する自動車部の学生たちが、東西のサーキットにわかれて戦う、「フォーミュラジムカーナ」という新しいカテゴリーのモータースポーツが話題となった。
簡単に説明すると、協賛企業であるトヨタが用意した「ヴィッツGRMN」という限定車を参加する学校に貸与し、タイヤも協賛企業から渡されるモノを用いて戦う(今回はグッドイヤー)、完全イコールコンディションのイベント、というのが大きな特徴だ。
大学の自動車部は、普段ジムカーナやダートトライアルといった競技に参戦しているが、これらの競技は学校ごとによってクルマのスペックやコンディションが異なるので、テクニック以外の差がどうしても出てしまう。
そういった不公平な条件を一切排除し、純粋に各学校のチームワークと実力によって勝敗が決まるのが、この競技最大の魅力だ。なお、クルマの整備時には、大会運営側から用意された道具(工具)を正しく使わないとペナルティの対象になるなど、安全面に関するチェックも抜かりない。
会場には、14にも及ぶ自動車関連企業がブースを出展し、学生たちとの交流や就職相談まで行うといった光景も見られ、クルマに乗るという行為以外でも、企業も学生もお互いに刺激し合える環境が整えられている。
そんなフォーミュラジムカーナのRd.2が、2024年6月29日より福島県のエビスサーキットを舞台にスタートした。参加している大学は、東日本地域に籍を置く以下10校だ。
・工学院大学
・拓殖大学
・東京電機大学
・早稲田大学
・東京理科大学
・東北大学
・法政大学
・東京大学
・長岡技術科学大学
・中央大学
さらに2024年から、自動車部に所属する女子部員のみが参戦する「女子クラス」というカテゴリーも新設されている。
このカテゴリーでは、協賛企業である日産自動車から貸与された「ノート オーラNISMO」を用いたワンメイクで、こちらはターゲットタイムが定められている。なので、速ければ優勝……ではなく、そのターゲットタイムにどれだけ近づけるかで勝敗が決まるといったものだ。
会場では、車両の抽選や注意事項の説明、各企業によるプレゼンや大会への想いを語る時間が設けられていたほか、ランチタイムには協賛企業の社員と学生たちが「業界の気になること」「クルマ全般に対する質問」などなど、和気藹々とした雰囲気のもと、フランクに会話する光景が見られた。
そのほかにも、会場にはスーパーGTのGT300クラスで活躍する野中誠太選手や、KYOJOで活躍する翁長実希選手といった、現役レーシングドライバーも訪れており、学生たちと交流を深めつつ、アドバイスなどを送っていた。こういった貴重な機会が得られるのも、この大会ならでは。
また、多くの学生は初めて触れる特別な「ヴィッツGRMN(200馬力オーバーの出力を発揮する限定車)」を手にすると、協賛企業である小倉クラッチ製のメタルクラッチが入っていることもあり、始動時の独特な金属音に興奮している姿も。
29日の初日はコースの下見や練習日ということもあり、マシンのフィーリングチェックや作戦会議といった、本戦へ向けた準備を各大学の学生たちが真剣な面持ちで進めていた光景も印象的だった。
注目の決勝は翌30日(日)の午前10時10分よりスタートする。もちろん、一般の観客も観戦可能だ。
8月10(土)〜11日(日)に広島県のTSタカタサーキットで開催されるRd.3の上位校と、5月4〜5日に三重県の鈴鹿サーキットで開催されたRd.1の上位校たちは、9月21(土)〜22日(日)に、滋賀県の奥伊吹モーターパークで行われる決勝戦に参戦する権利を得る。決勝に進めるのは全国から9校(予定)だ。
各校による明日の結果に注目したい。