クルマとしての実用性はなくなる
ただし、ミッドシップにもデメリットはあり、車体の中央にエンジン・ミッションが偉そうに鎮座しているので、乗車定員が減ってしまうし、荷物の積載量も少なくなってしまう。
また、FF車用のパワートレインをミッドシップに流用すると、コストダウンには有利だが、ミッションと一体になっているぶん、エンジンの重心が高くなり、ロールモーメントが大きくなるので、スポーツカーらしさ、運動性能はスポイルされてしまう。
さらに、ドライバーのすぐ後ろにエンジンがあるので、静粛性もほかの駆動方式より不利とされるが、これは主観的な問題なので、好き嫌いで考えればいい(耳の位置とエンジンとの距離が近いのもあるが、エキゾーストのレイアウトを長くはとれないのでそれも消音を難しくしている)。
このように、ミッドシップであれば、それだけで偉いわけではないが、居住性や実用性を犠牲にし、コストも惜しまず、重心が真ん中に集まっていて、しかも重心が低く、オーバーハングが短く軽いミッドシップなら、運動性能はピカイチ。
そういう意味では、アンダーフロア型ミッドシップレイアウトを採用した、トヨタの初代エスティマは、ミッドシップのメリットを活かしたよくできた画期的なミニバンだった。
2代目からFFのミニバンになってしまったのが残念!?