クルマ好きならみんな一度は使う「セーム革」! でもちょっと待て……セームって一体何? (2/2ページ)

セーム革のメリットとは

 しかし、天然セーム革は洗車の拭き取り用クロスとして、もはや過去のものになっているといっていい。そう、現代的かつ耐久性にも優れた合成セーム革や、おなじみのマイクロファイバークロスにその座を奪われてしまったのだ。

 合成セーム革は、別名、スポンジクロスとも呼ばれ、素材はPVAスポンジ。色付けしやすく、さまざまなカラーが発売され、価格も廉価。代表格として今は販売されていない「ユニセーム」などがあり(オランダの工場が閉鎖されたらしい)、めったにないパンチング素材の「ユニセーム」は吸水性、保水性に優れ、ケース入りのため、しまっておいても硬くなりにくい性質を持つ(そうでない合成セーム革もある)。

 筆者は昭和の時代からもう何十年も使い続けているが、当時の物も今だに健在。洗車後、大きく広げてボディに乗せ、スルスルと引っ張るボディに優しい圧をかけない吸水方法にも向いている。ただし、すべての合成セーム革が洗車後の吸水性に優れているわけではない。やはり、定評ある合成セーム革の使用が望ましい。

 ちなみに、筆者は昔、国内で手に入るほぼすべての合成セーム革を購入し、テストしたことがあるのだが、吸水性、保水性がイマイチの合成セーム革は、ホイールやエンジンルーム用に2軍落ちさせて、使わせてもらっている。もし、イマイチな合成セーム革を買ってしまっても、捨てないでそうした使い方をするといい。

 クルマの洗車はもちろん、家庭用としても普及しているマイクロファイバークロスは、ナイロンやポリエステルの極細かつ多角形繊維でできたもので、吸水性、保水性、速乾性、集塵力に優れ、大きく広げてボディに乗せ、スルスルと引っ張るボディに優しい吸水方法にも最適。こちらも廉価で販売され、100均でも売っているが、じつは、洗車用として見ると、こちらも合成セーム革同様に性能はピンキリ。

 洗車後の水気の拭き取りに使う場合は、筆者もユニセームとともに愛用している、キーパーのコーティング車にも対応する「コーティング専門店の拭き上げ用クロス」=マイクロファイバークロスのような、キーパー、キーパーラボの洗車、コーティング現場でも使われている高品質なものをお薦めしたい。

 実際の洗車後の水気のふき取りで、吸水性、保水性、ボディへのやさしさはハイレベルだと感じている。それでも色違いの2枚入りで1180円程度である(キーパー公式オンラインショップ価格)。1枚をボディ用、もう1枚を足まわり用などとして使いわけることができ便利だ。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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