お客の休みの日にこそお店を開ける……なんて考えは古い! 日本の新車ディーラも「日曜定休」を真剣に考えるタイミングにきている (2/2ページ)

海外では日曜休みも当たり前

 筆者が見てきた限りでは、アメリカの新車ディーラーは定休日を設けないのが一般的となっている。過去に日本の新車ディーラーでも年中無休が当たり前のときがあったのだが、そのときのように、セールスマンは大体月曜日に休みを取っているようで、月曜日にディーラーへ行くとメカニック関係のスタッフばかりを目にした。一方のメカニックは日曜日に休みを取っているようであった。

 アメリカでも点検・整備で車両をもち込むと終了まで長く待たされることから、平日の朝7時ごろからの通勤時間帯から店を開け、通勤時に点検・整備車両を預かり、夕方家へ帰るときに引き渡すということも当たり前のように行われている。愛車を預かったあとは豊富に用意された代車を貸し出し通勤に使ってもらうか、「シャトルバス」を用意してオフィスまでの送迎をするサービスも一般的となっていると聞いている。

 タイでは新車ディーラーは日曜日を定休日とするのが一般的となっている。アメリカでも「富裕層は日曜日に買い物はせず自宅でパーティーをやったり、保養地に出かけたりするのが一般的」とも聞く。高級ブランド車のディーラーでは日曜日を定休日としていたり、店舗責任者は日曜日は休み、日曜日はオマケ程度に店を開け、得意客や有望客は日曜日には来ないとして、セールスマンはリラックスして店舗で待機していたりする姿も目撃したことがある。

 アメリカのように年中無休を維持できるほどのマンパワーは日本の新車販売現場にはない。日本では「働き方改革」の旗印のもと、週休2日ではなく週休3日という話まで出てきているのだから、たとえば日曜日と月曜日というパターンで新車ディーラーが完全定休日を設けるのもいいかもしれない。「月曜日は床屋さん」、「火曜日は美容院」、「水曜日は不動産屋さん」という感じで日本では業種ごとに定休日が決まっているケースもある。

 いまの新車ディーラーでは、だいたい月曜日から木曜日のスパンで1日ないし2日をディーラーごとに定休日として設けており、消費者から見ればそれを把握するのも面倒くさいものと感じる。そこで、「新車ディーラーは日曜日と月曜日が毎週定休日」とすればいいだろう。毎週というのが難しいなら、最終週だけ日曜日に店を開け、最終週は月曜日と火曜日を定休日にすればいいかもしれない。

 メカニックも含め十分な人数で店舗を運営しているわけではないなか、心労などでの病欠も目立っており、病欠者が出ると大騒ぎになるとも聞いている。

 史上もっとも新車が売れたバブル経済の時期(1990年)に比べると、新車販売市場の規模はほぼ半減している。新車の売り方も新規需要の発掘から、管理顧客への定期的な乗り換え促進に主軸は完全に変化した。いまでは全国規模での週末フェアといったものもほぼ存在しなくなってきた。

 新車の商談は契約まで進めば、数時間に及ぶことはざら。いまどきはお客側だって、せっかくの休日に数時間も新車購入に時間を費やすことに疑問をもつ人も多い。時代は変わってきている。それならば新車ディーラーの日曜定休を考えてもいいのではないかと筆者は考えている。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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