この記事をまとめると
■中古車販売店では「自社ローン」という制度を設けている場合がある
■「自社ローン」はローンに通らない人がよく使う手段だが金利の高さや支払い回数にデメリットがある
■自社ローンを検討中だったユーザーを例に仕組みを解説する
自社ローンは最後の頼みの綱!?
クルマを買う際のローンが通らないこと、まあまあよくあることでしょう。そんなとき、中古車ショップが提案してくるのが「自社ローン」だったりします。これは過去の金融履歴に瑕疵がある、いわゆるブラックリストに載っている方や、収入が低いわりに高額なクルマを購入しようとしているなど、ローンに通りづらい方でも分割払いができちゃう仕組み。
厳密にいえば銀行やクレジット会社のローンとは別物で、前述のように通りやすいなどのメリットもあれば、当然のようにデメリットもあるのです。
実際に中古車ショップの自社ローンを利用しようとしたケースをご紹介しましょう。
「こんなチャンスはもう二度とないんじゃ!」口角から泡を飛ばしているのは自称クルマのライター、エヌ君です。
「TVRのグリフィス! 2002年の最終(モデル)で、SE(スペシャルエディション)、しかもサーブラウのシートを入れた62台中の1台なんだって」
「で、そのムーンレイカーブラックのグリフィスを自社ローンで買おうというのか?」ふさふさの白い眉毛をハの字にしかめてみせたのは近所のクルマご意見番、シゲ爺でした。
※画像はイメージ
「確認するが、オートローンや銀行系クレジットでもエヌ君の審査は落ちたのだな?」
「悔しいけど全部落ちた。ていうか、これどっかの陰謀じゃね?」
「いや、陰謀でもなんでもない。エヌ君に金融的な信用が薄い、というかゼロだから当然ちゃ当然じゃね」
「ふざけんな、ジジイ! だからグリフィス売ってる中古車屋のチャラいセールスが『自社ローンなら大丈夫っス』ていうから、どんなんかなと思って相談してんだ。わかりやすく簡潔に説明しろ!」
「黙って聞いてりゃいい気になりやがって、それが人にものを尋ねる態度か、社会的アウトキャストの小僧め。そんなんだから悪徳中古車ショップの低能セールスにカモ扱いされんだ。いいか、自社ローンなんて聞こえのいいこといってても、仕組みはローンとは違っていろいろ面倒ごとも多いんじゃ!」
「うっせー! その低能セールスが『金利も発生しません』ていってるし、なにより『審査や納車まで時間もかかりません』て、いいことづくめなオファー並べてくれてんだ。いったいどこが悪いんじゃ!?」
「だいたい、中古車屋は金融業者じゃないから分割払いにしても、法律的に金利は取らない。その代わりに手数料だの保証金だのいわれて、ローンの金利より支払額が高くなるのは目に見えてる。そのうえ、完済するまで名義変更もできないし、1回でも返済が滞ればすぐにクルマを引き上げられる。まあ、エヌ君の脳みそじゃ想像もつかんだろうがな」