空気バネを使うクルマもある!
そのうえで、ひとつのバネの径を途中で変化させる使い方がある。これは、プログレッシブと呼び、棒の太さを変えることで弾力の強さを変え、複数の用途に活用できるバネにする手法だ。
たとえば、通常の走りでは乗り心地をよくするために柔らかめのバネで衝撃をいなす。しかし、柔らかなバネでは、高速でカーブを曲がる際に車体が傾きすぎる懸念がある。高速走行では、硬めのバネの方が車両の姿勢を安定させやすい。そこで、このプログレッシブのバネを用いれば、同じひとつのバネで、乗り心地のよさと、高速での旋回安定性の両方を満たすことができることになる。
ほかに、限られた例としては、密閉した空気を使ってバネの働きをさせる方法もある。空気バネというものだ。密閉された空気の圧力を変化させることで、プログレッシブな作動のさせ方ができる。ただし、空気圧を調節するポンプを装備する必要がある。
馬車の時代を含め、昔からバネは乗り物のサスペンション機能として不可欠な部品だ。いろいろな手法があるが、今日なお、あらゆる走行状況に応じた乗り心地と走行安定性の両立は、走行実験を繰り返しながら練り上げられている。