タクシー配車アプリの普及で「なりすまし乗車」問題勃発! 他人が乗ってお金だけ支払う最悪の事態は日本でも起こり得る!! (2/2ページ)

乗っ取り行為は日本でもありえる

 日本でも今後はなりすまし乗車が問題となる可能性は否定できないだろう。

 筆者はタクシー配車アプリを使ってタクシーを利用することが多い。配車要請してマッチングし乗車地として登録した場所で待っているとマッチングしたタクシーがくるのだが、乗車時に運転士から氏名などの確認をされたことはほぼなく、むしろこちらから伝えることが多い。

 アプリ配車が普及する以前、無線配車のころは迎えに行ってお客を乗せるときに氏名の確認をするというのが業界の決まりなのだが、それが徹底されていなかった。実際には、すでに無線配車のころからなりすまし乗車はあったが、あくまで車内で料金を決済することになっていたので、支払うのはなりすまして乗車した人となるので、金銭的な問題は発生せず割り込みされたぐらいの問題にしかならなかった……という背景もある。

 しかも、配車アプリを使うときは「目的地は乗車したときに伝える」という選択もできる。さらに、利用者が目的地設定するときは、駅名やホテル名などの施設名で入力できても、運転士側のツールには住所のみしか表示されないようで、必ず目的地の確認をされるのだ。

 また、経由地設定をしなくても乗車時に口頭で伝えれば問題がないなど、システムを見ると日本ならではの性善説に基づいた柔軟性のようなものも散見でき、それは逆になりすまし乗車を誘発させてしまうようにも見える。

 ここのところ、インバウンド(訪日外国人観光客)の悪ふざけを超えた行為がメディアにたびたび取り上げられるようになっている。いままでの日本では想定できないことが平気で日本国内で発生するようになってきているのだ。

 ライドシェア車両やタクシーのなりすまし乗車も、「そんなのありえない」とも言い切れないだろう。乗車時の口頭での確認が徹底できないのなら、コード番号の早期導入を考えたほうがいいと考える。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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