ひと口に「ガソリン」といっても専門用語多し
●オクタン価
エンジン内部の異常燃焼の現象のひとつである「ノッキング」。アクセルペダルを踏み込んだ際に、踏み込み量に対してクルマが加速せず、「カリカリ」「カンカン」といった音とともにパワー不足を感じたりする現象です。たとえば、ハイオク指定のエンジンにレギュラーガソリンを入れるとノッキングを起こしたりします。これはおそらくクルマに詳しくない方でも「何だかエンジンがおかしい」とわかるレベルの不具合です。
「オクタン価」とは、ガソリンのノッキングの起きにくさを表す数値です。ちなみに、JIS規格(日本工業規格)では、オクタン価が96以上のものがハイオク、オクタン価が89以上のものがレギュラーと定められています。
●石油元売り会社
ニュースなどでも耳にしたことがあるかもしれない「石油元売り会社」。普段、何気なく給油しているガソリン。「原油から精製したもの」であり、どこかで誰かが作らなければ「ガソリン」にはなりません。原油を海外から輸入し、製油所で精製することでガソリンや軽油、冬場にお世話になることが多い灯油をはじめとした石油製品へと生まれ変わるのです。
製油所で精製された石油燃料は、タンクローリーで全国各地に点在するガソリンスタンドに卸されています。現在の石油元売り会社は、ENEOSホールディングス、出光興産、コスモエネルギーホールディングス、キグナス石油、太陽石油の5社です。
●特約店
原油からガソリンや軽油などの石油製品を精製するのが石油元売り会社であり、ここから「特約店」に卸され、消費者に販売する役目を担うのがガソリンスタンド(サービスステーション)という流通経路をたどっています。現在、日本国内で流通しているガソリンの約6割以上が特約店を通じて販売されており、トップシェアとなっています。
特約店と販売店のあいだで契約が結ばれると、特定のブランド(たとえば出光など)を掲げて消費者にガソリンなどの燃料が販売されるのです。ただ、灯油に関してはガソリンスタンドだけでなく、酒屋や米屋、ホームセンターなどでも購入することができます。
●最後に:ガソリンの携行缶を持ち込んで給油する行為はNG?
ホームセンターやAmazonなどでも入手可能なガソリンの携行缶。発電機や耕運機などで使いたいからガソリンの携行缶に給油して欲しい……でも、ガソリンスタンドで断られたというケースが増えつつあります。総務省消防庁ホームページによると、危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令によって、2020年2月1日よりガソリンを販売するため容器に詰め替えるときは、「①顧客の本人確認」、「②使用目的の確認」、「③販売記録の作成」が義務化されています。
ただ、前述したように、実際にはガソリンの携行缶を持ち込んでの給油はNGというケースが増えつつあります。最寄りのガソリンスタンドや旅行先などの目的地で、ガソリンの携行缶をもち込んで給油が可能なガソリンスタンドを事前に調べておく必要がありそうです。