ウエット性能と剛性感の高さにグッドイヤーの本気を感じる
実際に走って劇的な進化を感じたのは、ウエット性能である。排水性の悪化もなく、ステア応答性も頼もしい。安易なアンダーステアに陥ることも少なかった。ウエットグリップはポリマーの依存度が高い。おそらく新樹脂配合のゴムが路面を捉えているからに違いない。
ブレーキ性能も高かった。60km/hからの急制動を新旧で計測したところ、イーグルF1アシメトリック6はイーグルF1アシメトリック5に比較して、停止距離のベストが14.62mから13.68mに短縮した。体感できるほどの差ではないが、1m手前で止まれるか止まれないかは、無傷で終われるか怪我で入院するかの違いでもある。無視できない差であろう。
パイロンスラロームした限りでは、ポリマーが作用するような強烈なグリップ感はなかったが、タイヤの剛性感は際立っており、ハードに攻め込んでもケーシングが捻れる素振りはなかった。ひとことで表現するならば、「硬い」印象である。
一般道でも、乗り心地の硬さを意識させられた。プレミアム性を求めて開発したとはいえ、安意に乗り心地を追い求めることはせずに、走りの剛性感を残しているのだ。
グッドイヤーはニュル村に拠点を構えたことが証明しているように、モータースポーツに積極的に参戦を開始した、そこで得たノウハウが注がれていることに疑いはない。