悪路なんて走らないしアウトドア趣味もない! それでも人気のSUVでしか得られないメリットを探したらけっこうあった!! (2/2ページ)

ちょっと「違った人」なオーラも出せる!

 2つめは、それに付随するところもありますが、角度のきつい登り下りや大きな突起、障害物などを乗り越える際に重要な対地障害角が確保されていること。アプローチアングル、デパーチャーアングル、ランプブレークオーバーアングルという3つがあります。

ランドクルーザー250の寸法

 まずアプローチアングルとは、フロントタイヤの接地面からフロントバンパーの下を直線で結んだときの角度を示しており、その角度に相当する坂道や障害物に向かって進んでもバンパーが当たらないということになります。アプローチアングルはセダンだと一般的に15度程度といわれていますが、たとえば世界最小の本格クロカン四駆であるスズキ・ジムニーなら41度を誇ります。

 次にデパーチャーアングルは、リヤタイヤの接地面からリヤバンパーを直線で結んだ角度です。マフラーやリヤバンパーが障害物に当たらずに超えていける角度ということになります。こちらもジムニーなら51度とダントツです。

 もう1つのランプグレークオーバーアングルというのは、前輪と後輪の接地面から車体下中央部を結ぶ角度になりますが、これはモーグルのように大きな突起物が連続しているようなシーンで、乗り越えられるかどうかの判断基準となる数値。これらはシティ派SUVではそれほど重視されるものではありませんが、それでもセダンやミニバンなどと比べると高い数値を実現しているモデルも多くなっています。

 よく踏切などで凹凸が大きかったり、地下駐車場に入るスロープとフロアの継ぎ目でバンパーを擦りそうになるようなシーンもあると思いますが、そうした際に有利なのがSUVです。

 3つめは、人それぞれの感覚が異なるので一概にはいえませんが、デザインや上記のような特徴によって、「ファミリーカーとして乗っても生活感が出にくい」ところはSUVの魅力ではないでしょうか。一般的によく言われるのが、ミニバンに男性がひとりで乗っていても「パパが運転している」感が出ているのに対して、SUVに男性がひとりで乗っていると「多趣味な人」「アクティブな人」といった印象になるという違いがあるのです。

 やはりSUVがスポーツ・ユーティリティ・ビークルの頭文字ということで、ファミリーカーとして乗っていてもどこか清々しく、颯爽とした印象が強まるためなのではないかと思います。

 ということで、まだまだ定番の座は揺るぎそうにないSUV。バリエーションも多彩なので、選ぶ楽しみがあるところも魅力ですね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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