上半期末となる9月までの積極的な販売攻勢に期待
軽自動車では、軽四輪乗用車は8万4634台(前年同期比91.8%)となっている。ダイハツの全車種生産再開(ロッキーのハイブリッドなど一部を除く)となったものの、まだダイハツが完全復活(ダイハツの軽四輪乗用車は1万2435台で前年同期比42%)していないなか、スズキや三菱、ホンダ、日産の健闘が目立っている。
ちなみに2024年1月から5月の軽四輪車総台数での累計販売台数ではスズキの25万7019台に対し、ダイハツは8万2020台と、スズキに大差をつけられている。あえて計算しなくても暦年締めでの上半期(2024年1~6月)のブランド別軽自動車販売台数トップはスズキで確定したといっていいだろう。
また、事業年度締め上半期軽四輪車総販売台数でも現時点で17万4999台差がついているので、6月から9月の残り4カ月でその差を埋め、さらに販売台数を上積みしてダイハツがトップを獲るというのはほぼ不可能といっていいだろう。ちなみに現時点で累計販売台数ベースにてスズキに次いで2位になっているのはホンダだが、すでに14万台差を付けられているのでホンダがトップになることもまず考えられない。
スズキは届け出済み未使用軽中古車の流通台数は少なめであり、定点観測している専業店でも目立っていない。また軽四輪貨物ではダイハツのほうが多くの台数を販売している。つまり、新車購入でダイハツを敬遠するひとの受け皿にスズキがなっていることは間違いない。
ダイハツは、中古車市場において、とくに軽自動車の届け出済み未使用軽中古車を大量に見かけるので、現状でもダイハツの軽自動車が欲しいという人は届け出済未使用軽中古車に流れている(検査の手続き上の問題だからクルマには問題がないという意識を持つ消費者が多い)。ダイハツ以外のメーカーに積極的にお客が流れ込んできているわけでもないのだが、そのなかでスズキだけが吸収しているといっていいだろう。
6月は暦年締めでの上半期締めとなる。例年スズキは積極的に販売促進を行ってくるし、ダイハツも供給体制は5月の比ではなく復調してくるだろう。さらに、ホンダN-BOXは販売の勢いがいまひとつな様子なので、これから事業年度締めでの上半期末となる9月までは、日産や三菱も巻き込んで軽自動車はかなり積極的な販売攻勢が期待できる。買いどきといえる時期が9月末まで続くと筆者は考えている。