旧車好きを振り向かせるキラーワード「ダットラ」! なんで働くクルマの代表「トラック」がそこまで愛され続けるのか?

この記事をまとめると

■「ダットサン」ブランドからリリースさた小型トラックを「ダットラ」と呼んでいた

■ダットラは1935年に初代モデルが発売された

■9代目モデルは日産テラノのベース車にもなったが2002年に日本向けモデルを終売した

「ダットラ」と愛されたはたらくクルマ

 旧車のイベントなどで耳にする車名の略称はさまざまなものがあるが、その語感の良さで耳に残るもののひとつとして「ダットラ」というものが挙げられるのではないだろうか?

 この「ダットラ」とは「ダットサントラック」の略であり、日産がかつて使用していたダットサンブランドからリリースされていた小型トラックのことを指している。

 ちなみにこのダットサンとは、日産の源流である快進社が出資者3人のイニシャルであるDATを車名につけた「ダット1号車」がそもそもの始まりで、そのDATに息子を意味する「SON」を加え、「SON=損」を連装させることから太陽を意味する「SUN」に替え、「DATSUN」としたものが大元となっている。

 そんなダットサントラックの初代モデルは1935年に登場。戦前の設計でありながら、エンジンにはアルミ製ピストンやジュラルミン製コンロッド、クランクシャフトにはボールベアリングを使用するなど、先進的なエンジンが特徴となっていた。

 その後も、ボンネットを有するピックアップトラックとして代を重ねたダットサントラックは、6代目モデル時代の1969年に累計生産台数100万台を達成するなど、日本の物流を支える重要なモデルとして多くのユーザーに愛されることとなる。

 そして1972年に登場した7代目モデルは、1980年代に流行したピックアップトラックをベースとしたカスタマイズの「トラッキン」のカスタムベースとしても人気を博し、現在でもそういったイベントで姿を見かけることの多いモデルとなっている。

 1985年に登場した9代目モデルからはダットサンブランドからではなく日産からリリースされるダットサントラックとして新たなスタートを切ったダットラは、1986年に登場してRVブームをけん引したテラノのベース車ともなった。

 1997年には10代目へとフルモデルチェンジを果たすが、このころになるとすでにビジネス用途のトラックはキャブオーバータイプが主流となり、ピックアップトラックの需要は減少。

 メーカーもレジャービークルとして、エアロパーツを纏った「スカイスター」をオーテックジャパン扱いでリリースするなどしたが、かつての勢いを取り戻すことは難しく、2002年夏ごろに日本向けモデルの生産を終了し、67年の歴史に幕を下ろすこととなったのだった。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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愛車
日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
趣味
長距離ドライブ
好きな有名人
ザ・リーサルウェポンズ

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