犬はとにかく暑さに弱い!
その3
とはいえ、目的地となる愛犬同伴型リゾートホテルなどのチェックイン時間は午後3時が一般的。早朝、出発するとなれば、午前中には目的地付近に着いてしまうはず。そこでドライブ計画のひとつとして、ランチタイムに冷房の効いた屋内に入れるドッグカフェ、レストラン、食事処をチェックし、できれば予約しておくと安心だ。そしてアスファルト舗装ではない、日陰の多い観光地でもまわっていれば、愛犬の暑さ対策になる。
たとえば、軽井沢では、愛犬同伴で店内に入れる焼き肉屋「黒柳」や、プリンス通りのDOG DEPT GARDEN軽井沢店(カフェと物販)もあるし、軽井沢に行ったら誰もがまず立ち寄るプリンスショッピングプラザでは、わが家もよく利用するDOG DEPTプリンスショッピングプラザ店があり、店内でショッピング、カフェ&ランチタイムを楽しむことができるし、ブランド店でも店舗によっては、抱っこまたはカートに乗せていれば、冷房の効いた店内に”暑さしのぎを兼ねて(!?)”入ることも可能なのである。
その4
夏、人間もハンディ扇風機などのクールアイテムを利用しているはずだが、わが家では夏、ペットカートに愛犬のジャックラッセルのララを乗せる際、コット(犬が乗るところ)の底に、防蚊効果もある、冷蔵庫で冷やすことなく、クールな状態が持続するDOG DEPTのクールマットを敷き、さらに、外歩き用のクール素材のドッグウエア、首に巻くクールバンダナ(中に保冷剤を入れておける)も欠かさない。
その5
モータージャーナリストにしてドッグライフプロデューサーでもある筆者は、愛犬とドライブするのに相応しいクルマをドッグフレンドリーカーと呼んでいるが、その要件のひとつとして、愛犬の特等席となる後席用のエアコン吹き出し口がある。犬は基本的に暑がりで、快適温度は22度前後といわれているからだ。理想は3ゾーンフルオートエアコンで、前席の乗員が寒がりでエアコンの設定温度を下げたくない場合でも、後席だけより涼しくしてあげることが可能になるからである。
また、ボルボの一部車種では、センターコンソール後端のエアコン吹き出し口に加え、Bピラーにもエアコン吹き出し口が装備されているし、間もなく発売される新型ホンダ・フリードは、このクラス初の後席エアコン吹き出し口を完備しているから、文句なしのドッグフレンドリーカーとなりうるはずだ。
とはいえ、たとえば軽自動車に後席エアコン吹き出し口は、プチバンと呼べるスーパーハイト系でも望めない。が、スズキ・スペーシアや日産ルークス、三菱デリカミニなどには、後席にエアコンの冷風を送ることができる天井サーキュレーターを完備しているから、後席を含めた車内の空調環境は犬にとってもより快適になるはずだ。
つまり、1年中、快適に愛犬とドライブを楽しみたいなら、後席エアコン吹き出し口またはサーキュレーター完備のクルマを選ぶとよい。
その6
夏の愛犬連れドライブ旅行でじつは大活躍してくれる装備が、愛犬の特等席である後席部分のウインドウにあるロールサンシェード。ミニバン、スーパーハイト系軽自動車などについていることもあるが、なくても心配無用。市販のマグネット式遮光カーテンを用意すればいいのである。これを愛犬が乗っている後席左右のウインドウに貼り付けておけば、直射日光を和らげ、車内温度の上昇を緩和してくれる効果がある。
その7
夏の暑さのなかのドライブでは、人間(飼い主)も喉が渇く。エアコンが効いて除湿された車内ならなおさら喉が渇くため、水分補給を欠かさないはずだが、それは犬にとっても同じ。いつでも車内外で水分補給できるように、愛犬用の携帯用ペット水筒、車内に置いておける水がこぼれにくいペット用水飲みボウルの用意は欠かせない。
このほかにも夏の愛犬連れドライブ旅行での注意点について言いたいことは山ほどあるが、以上が基本的な7項目である。
繰り返しになるが、犬は暑さに弱く、暑さによって熱中症になりやすく、熱中症によって命を落とすこともあるだけに、暑さ対策万全で、夏のドライブ旅行を楽しんでいただきたい。できれば、わが家のように、愛犬との真夏の日中のお出かけは避けるべきではあるのだが……。