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目立つ高齢タクシー運転士の事故! だが年齢よりも「悟りを開けるか」がタクシーの安全性に大きく影響する (2/2ページ)

目立つ高齢タクシー運転士の事故! だが年齢よりも「悟りを開けるか」がタクシーの安全性に大きく影響する

この記事をまとめると

■高齢タクシードライバーによる事故が相次いで報じられている

■タクシードライバーにはなんらかの社会人経験を積んだ人が就いていることが多くプライドが高い人はミスも多い

■タクシードライバーは運転スキルだけでなくコミニュケーション能力も必要だ

高齢のタクシードライバーの事故が多い=間違い

 ここのところタクシーの事故が相次いで報じられている。5月23日京都市中心部でタクシーが逆走し、6台が絡む事故が発生した。当該運転士(72歳)を含む3名が重軽傷を負ったとのこと。また、その後の報道では、当該運転士は事故を起こす前日から当該タクシー会社で乗務をはじめていたともされている(それまでも別の事業者で乗務していたようだ)。

 5月25日には福岡市中心部において、タクシーが道を歩いていた女性5人を巻き込み道路脇の電柱に衝突する事故が起きている(当該運転士は74歳)。巻き込まれた5人のうち3人が軽傷を負い、実車中(お客を乗せていた)のタクシーは運転士が軽傷、乗客にはケガはなかったとのことであった。

※画像はイメージ

 このような報道が相次ぐと「高齢運転士は事故を起こしやすい」となってしまいがちだ。たしかに高齢のなか長時間乗務するのだから、事故発生リスクは高いということは否定できないが、単に「高齢運転士は事故を起こしやすい」としてしまうのはちょっと拙速だと筆者は考える。

 タクシー運転士というのは端で見ているほど「簡単な仕事」ではない。しかも、最近は目立っているようにも見えるが、大学を卒業したばかりの新社会人が就くケースはまだまだ稀であり、なんらかの社会人経験を経てタクシー業界に足を踏み入れるのが一般的とされている。

「新聞記者、警察官、公務員など前職はさまざまです。お店や会社を経営していたものの閉店や倒産を経てタクシー運転士となる人も多いです」とは事情通。外国人、学卒新社会人、そして女性など、タクシー運転士も多様化を見せているものの、ボリュームゾーンは社会人経験を積んだ中高年男性という構図は変わらない。

 そうなると、前職で一定の役職に就いていたり、お店や会社などを経営していた「一国一城の主」だった人も多い。つまり、プライドの高い人もそれなりに多いのである。「前職でのプライドなどをいかに捨て去り、タクシー運転士という仕事の神髄を理解できないと、本当の意味で稼ぎのいい運転士にはなれないと聞いたことがあります(事情通)」。

 この辺りの「悟り」が開けない運転士は事故だけではなく、乗客からのクレームも多くなりがちだとのことである。「不本意ながら離職したものの、家族を養わなければならないので運転士になった」といったパターンでは、一見すると人間的にも問題がない元サラリーマンの運転士であっても、過去を引きずっていれば稼ぎは伸び悩み、乗客からのクレームや規模は大きくないものの軽い接触事故などを起こしやすい傾向があるとも聞いたことがある。「家族を養うために稼ぐぞ」という気持ちが先行してしまい焦りなどが出てくることもあるようだ。

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