たまに見かける「赤い斜線が入った」ナンバープレートは何? 車検切れでも走行可能になる特別なナンバーの中身

この記事をまとめると

■仮ナンバーは未登録車や車検切れ車などで道路を走行する際に特例的に運行を許可する制度

■対象となるのは普通自動車、小型自動車、軽自動車、大型特殊自動車

■交付を受けるためには自賠責保険への加入が必要

車検切れ車で公道移動するなら必要となる特別なナンバープレート

 街なかでときどき見かけることがある斜線が入った仮ナンバー。そもそも仮ナンバーとはどのようなナンバープレートなのでしょうか。今回は、仮ナンバーの概要や発行条件、保険の加入の必要性、期限内に返却しないとどうなるかなどを解説します。

仮ナンバーとは?

 仮ナンバー(自動車臨時運行許可)は、未登録や車検が切れた自動車の新規登録や継続検査(車検)など、やむを得ない事情により道路を走行する場合に特例的に運行を許可する制度です。なお、あらかじめ運行の目的、経路、期間を特定した上で、申請して許可を得なければなりません。臨時運行が許可されると、臨時運行許可証が交付され、臨時運行許可番号標(仮ナンバー)が貸与されます。

 仮ナンバーを取得するためには、明確な目的がなければなりません。仮ナンバーの交付が許可される主な目的は次のとおりです。

・検査(未登録の自動車の新規検査や車検切れ自動車の継続検査などのために運輸支局へ回送する場合)
・登録(予備検査が済んでいる未登録自動車の新規登録のために運輸支局へ回送する場合)
・販売(商品自動車を見せるための回送)
・整備(車検を受けることを前提とした整備を行うための回送)
・封印取付(ナンバープレートの再交付や封印取付のために運輸支局へ回送する場合)
・試運転(整備工場で点検や整備後に試運転するための運行)など

 なお、車両の移動のみを目的とした運行は仮ナンバー交付の対象になりません。

 また、仮ナンバーには期限があります。仮ナンバーの期限は原則として1日です。ただし、運行の経路や目的によっては数日かかる場合があります。このようなときは、経路や目的を審査し、5日以内の最少日数が期限となります。

 仮ナンバーの交付を受けることができる対象車は、普通自動車、小型自動車(250cc超のバイクを含む)、軽自動車(検査対象のもの)、大型特殊自動車です。250cc以下のバイクや原動機付自転車、小型特殊自動車は仮ナンバー制度の対象になりません。

保険の加入は必要? 仮ナンバーの交付を受けるために必要な書類とは?

 仮ナンバーの交付を受けるためには、自賠責保険への加入が必要です。自賠責保険に加入していないと、仮ナンバーの交付を受けることはできません。

 仮ナンバーの交付を受けるために必要な書類は次のとおりです。

・自動車臨時運行許可申請書(窓口でも配布しています)
・自動車損害賠償責任(自賠責)保険証明書の原本(臨時運行を行う日が保険期間内であるもの)
・自動車検査証(車検証)または一時抹消登録証明書などの車台番号を確認できる書類(コピー可)
・本人確認書類(運転免許証など)

 なお、申請内容によって、必要な書類が異なる場合があります。そのため、仮ナンバーの交付を受けようとするときは、事前に市役所などに必要書類などを確認しておきましょう。

期限内に仮ナンバーを返却しないとどうなる?

 仮ナンバーは、あくまでも臨時運行のために貸与されるナンバープレートです。そのため、臨時運行が終了したら速やかに返却しなければなりません。もし、返却をしない場合、罰則の対象となります。なお、返却期限は許可の有効期間満了日の翌日から5日以内です。この期限を過ぎないよう注意しましょう。

目的が明確でなければ交付されない仮ナンバー

 仮ナンバーは、臨時運行のためのナンバープレートです。よって、本来の目的以外に使用することはできません。もし、仮ナンバーの交付を受けなければならない事情があるときは、条件や決まりごとを守るようにしましょう。


齊藤優太 SAITO YUTA

ライター/インストラクター/ジャーナリスト

愛車
A4 35 TDI
趣味
ドライブ・洗車・音楽鑑賞・楽器演奏
好きな有名人
BLUE MAN

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