クルマに「味の素、入ってる」ってマジ? 半導体なくして成り立たない現代の自動車に使われる「味の素」の技術とは (2/2ページ)

特殊なフィルムで絶縁をコントロール

 味の素といえば、一般ユーザーにとってとても身近な存在だろう。

 そもそもは、池田菊苗博士が見出した「うまみ」成分という画期的な発想を商品化した「味の素」が事業の主役だった。

 その後、調味料だけではなく、加工食品、冷凍食品、栄養ケア食品、またAGFブランドでのコーヒー関連商品など幅広い製品を取り揃えている。

 こうした多様な事業の中に、「味の素ビルドアップフィルム(ABF)」がある。同社の説明によれば「ミクロのフィルムで絶縁をコントロールする、層間絶縁材料」だ。高性能な半導体(CPU)においては、全世界の主要なパソコンのシェア100%という実績だ。

 ABFの開発の歴史を辿れば、1970年代にアミノ酸の研究開発を経て、絶縁性があるエポキシ樹脂のパソコン半導体向けの量産を進めた。

 特徴は有機物と無機物をミクロのフィルムで一体化させる技術。回路基盤への加工での最適化など、日夜技術は進化を続けているという。

 モバイル、そしてSDV時代のクルマなど、ABFは今後さらに採用される領域が増えていきそうだ。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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