この記事をまとめると
■自動車には欠かすことができない半導体には「味の素」の技術が使われている
■高性能なCPUの絶縁材として使われる「味の素ビルドアップフィルム(ABF)」がそれだ
■SDV時代となって今後もクルマなどにはABFが採用される領域が増えそうだ
味の素の技術はクルマにも大きな影響をもたらしていた
最近、自動車産業界で大きな話題となっているのがSDVだ。ソフトウェア・デファインド・ヴィークルの略称で、文字どおりソフトウェアを主体として開発されるクルマを指す。
周知のとおり、すでにクルマには多様なECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)が搭載されている。エンジンの燃料噴射や点火タイミングの制御、オートマチックトランスミッションの変速制御、エアコンやパワーウインドウの制御など、高級車になれば車載ECUの数は100を超えるといわれている。
そうしたECUの機能やあり方を統合して、サイバーセキュリティへの対応能力を挙げるなど、SDV時代の車載ソフトウェア、またはクラウドを介して車載ソフトウェアをコントロールする仕組みなどについて、自動車産業界での議論が高まっているところだ。
そんな車載システムで重要となるのが、半導体の存在である。コロナ禍と並行して発生した、半導体不足によって新車の製造が遅れるなど、クルマと半導体との関係の深さを認識した一般ユーザーも少なくないだろう。
その半導体といえば、「インテル・インサイド(インテル入っている)」といった米半導体大手のインテル社のテレビコマーシャルが記憶に新しい。
そんなインテルのマーケティング戦略を拝借すれば、半導体には「味の素、入っている」と、表現ができるかもしれない。