長いストロークを確保するために「別タンク式」が誕生した
そこで生まれたのが別タンク式構造だ。これは、別タンクのなかにガス室を移設、フリーピストンもこちらに入れる。メインのサスペンションとタンクを結ぶホースの内部はダンパーオイルが行き来するようになっている。
こうすればサスペンションが大きく沈み込んでもガス室がないので長いストロークを確保することができるのだ。
また、オイル量もガス量もたくさん入れておける。オイル量が多ければオイルの温度が上がって、粘度が落ちて減衰力が弱くなってしまうことも起きにくい。ガスの容量が大きければ、沈み込んだときにも安定した性能を発揮できる。ガスの容量が少ないと沈み込んでガス室が潰されたときに急速にガスの圧力があがる。そうなると、あるところから急にサスペンションが硬く感じてしまうことがある。これはこのガスの昇圧が原因だが、容量がたくさんあれば昇圧しにくいので、サスペンションが深くストロークすると奥で硬いということも起きにくいのだ。
そういった理由から別タンク式が採用されている。逆にいえばストロークがたっぷりと確保できる構造の足まわりであれば別タンクがなくてもよく、別タンクがあるから高性能でないから性能が低いという話にはならないのだ。