安全性に勝るものはなし! 法規は満たしているけど……デザイン優先の低すぎるリヤのウインカーはやめるべき!! (2/2ページ)

デザインよりも安全性を考えるべき

 しかしトヨタ・ハリアーは乗用車なのに、方向指示器が後続車から見にくい。その理由は、テールランプとブレーキランプは高い位置に装着されるのに、方向指示器だけが低いバンパー部分に付いているからだ。

 軽トラックならブレーキランプは方向指示器と同じく低い位置で点灯するから、方向指示器が低くても違和感はない。ところがハリアーでは、ブレーキランプは一般的なSUVと同じく高い位置で点灯するのに、方向指示器だけが低い位置で点灯する。後続車両のドライバーが、頻繁に高い位置で点灯するブレーキランプを見慣れると、方向指示器もブレーキランプの付近で点灯すると思い込む。

 それが実際は、方向指示器だけが低い位置で点灯するから見落としやすい。とくに渋滞時は、車間距離も短く詰まっているため、ブレーキランプよりも低い位置に装着される方向指示器は一層見にくい。

 そこでハリアーの開発者に、ブレーキランプやテールランプは高い位置に装着されるのに、方向指示器だけが低い位置に付いている理由を尋ねると「横一文字の端正で美しい後ろ姿を表現したかったから」と返答された。

 方向指示器の位置は、当然ながら保安基準で定められ、下端部の路面からの高さは350mm以上とされている。ハリアーもこの基準はクリアするが、方向指示器だけがブレーキランプやテールランプから離れて低い位置にあると、後続車から見にくいことは確かだ。

 いまはLEDの採用で、横一文字の美しいテールランプを生かしながら、方向指示器も内蔵させることが可能だろう。テールランプは、方向指示器、ブレーキランプを問わず、後続車からの視認性を最優先してデザインすべきだ。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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