この記事をまとめると
■クルマの運転に適した服装や履き物を元教官が解説
■「交通の方法に関する教則」には履物に関するルールが明記されている
■服や靴で万が一の事故の際に怪我を軽減できる場合がある
運転をより快適にできる服装とは
運転に適した服装や履き物とは、どのような服や靴なのでしょうか。「運転に適した服や靴」という言葉はよく耳にするものの、どのような服装や履き物がよいのかイマイチわからないという方もいるでしょう。そこで今回は、教習所で運転の指導をしていた筆者が、運転に適した服装や履き物について解説します。
運転しにくい服装や履き物はダメといわれているけど……
服装や履き物について、教習所や各都道府県警察・公安委員会では「運転しやすい服装や履き物」を推奨しています。とはいえ、「運転しやすい服装や履き物」という言葉に具体性がないため、どのような服装や履き物がいいのかイメージしにくいのではないでしょうか。
国家公安委員会が作成している「交通の方法に関する教則」には、「運転するときは、活動しやすいような服装をしましょう。また、下駄やハイヒールなどを履いて運転したりしてはいけません」と明記されています。
各都道府県警では、講習受講時などの注意事項として「運転操作に支障をきたすおそれのある履物(サンダル、下駄、ハイヒール等)での受講はできません」や「運転に適した服装と履物で受講してください。サンダル・ハイヒール・下駄では受講できません」などと記載されています。
このようなことからも、運転する際には、運転に適した服装や履き物を着用する必要があることは明らかです。
筆者が教習指導員として運転指導をしていたときは、スニーカーなど足全体を覆い(足の指先からかかとまで覆う靴)、足首が動かしやすい履き物を推奨していました。服装については、ステアリングやシフト操作などに影響がない服(肩から手先まで動かしやすい服装)が適していると指導していました。
裸足ならいいのか?
履き物については、フロアマットなどに引っかかって適切な操作ができなくなるサンダル(クロックスのようなものも含む)・下駄、操作が不安定になるハイヒールなどが運転に適していないということが各都道府県警察の注意事項からわかります。つまり、スニーカーや先が尖っていない革靴などが運転に適しているといえるでしょう。
では、裸足や靴下はよいのでしょうか。裸足や靴下であれば、フロアマットに引っかかったり操作が不安定になったりすることはありません。そのため、裸足や靴下であれば運転操作に支障はないと考える方もいるでしょう。
しかし、裸足や靴下の場合、踏み込んだ力がペダルに適切に伝わらなかったり、足の指に踏力が集中してしまい想像通りの操作ができなかったりする可能性があります。また、万が一事故が発生した際に、クルマの部品が足に刺さってしまうことも考えられます。
そのため、裸足や靴下は運転操作という点だけを考えれば問題ないといえますが、適切な操作ができるかどうかという点で考えると最適ではないといえるでしょう。よって、履き物を履いて運転することを推奨します。