EVのほうが女性ウケがいいのは本当か?
ちなみにコロナ禍前、もちろんロシアが戦時下となる前に首都モスクワを訪れたことがあるが、欧州、アメリカ、日本の各地からプリウスなどのHEV(ハイブリッド車)の中古車が多く輸入されていた(とくにプリウス)。
HEVに対するインセンティブなどが存在しないなか、そして1年のうち極寒の季節の長いモスクワ市内でよく見かけたので、ロシアの人は電動車への興味が高いように見えた。将来的にはBEV大国になるかもしれない。
もうひとつが、「BEVは女性ウケしやすい」という都市伝説。先日CSチャンネルで海外の名車再生系番組を見ていたのだが、出演者が4リッターV8エンジンをブイブイいわせてご満悦の表情を見せていた。いまどき「男だ、女だ」と論じるのはリスクは高いが、クルマのエンジン音を聞いて、「いいサウンドだ」と悦に入ったり、油まみれになってクルマいじったりするのは一般的には「男の世界」のイメージが強い。
そして、エンジン音を聞いて喜んでいる姿が理解できない女性が圧倒的に多いのではないかと考えている。
それに対しBEVは、クルマに興味のない女性(もちろん興味のない男性も)にとっては、「ノイズ」にしか聞こえないエンジン音はしないし、ICE(内燃機関)車に比べれば油まみれといった汚れる心配も少ないといえるだろう(パンク修理などをすれば別だが、たいていはロードサービス呼んだりしている)。
筆者はセルフスタンドでの給油時に手がガソリン臭くなることが多い。給油もいらないBEVならそんな思いもしなくて済む。
排気ガスを出さないことからもクリーンなイメージが先行するので、「BEVは女性ウケがいい」という都市伝説になっているのだろうが、そのあたりはとくに性別に関係なく、個々人の価値観の問題となるものと考えられるので、やはり都市伝説の域を出ない話となるのではないだろうか。