カスタムしてアウトドアに連れ出すのもブーム
さて、都内最速の噂ですが、これはオーバーでもなんでもありません。実際、プロボックスの車重は1.5リッターのガソリン車が1090kg、同じくハイブリッド車が1160kgというライトウエイト! 同じく1.5リッターエンジンを積んだマツダ・ロードスター1.5RSが1020kgですから、5人乗りのプロボックスがいかに無駄を排して軽量化しているかがよくわかるかと。そして、400kgの積載量に対応した堅牢なフロア&シャシーや専用に開発されたサスペンションが、ハイスピードでの安定性に役立っていることはいうまでもないでしょう。
前輪はヴィッツ用を改良したものとされていますが、後輪は4リンク(4WD車は4リンク式ライブアクスル)+コイルスプリングを採用し、さらにラテラルロッドを加え(計5リンク)、積載物による車高変動や、側方からの入力時にもスタビリティへの影響は最低限に抑えられています。ショックアブソーバーを大荷重に耐えられるよう、後傾したレイアウトとしているのもちょっとしたレーシングカーのような工夫でしょう。
さらに、ATの設定も低めのギヤ比を採用し、トルクを活かした走りができるというのもポイント。1.3リッターや1.5リッターでコーナー脱出をモタモタしない秘訣はこのへんにありそうです。
そんな魅力あふれるプロボックスですから、営業マンだけにドライブさせるのはもったいないと、一般ユーザーが好んで乗り始めているのはご承知のとおり。ホワイトボディのままなら営業車ですが、ちょっとカスタムするだけでプロボックスはアクティビティの香り漂うSUVチックなクルマに変身しちゃいます。
リフトアップをはじめ、ごついバンパーやキャリアを装備しているプロボックスは近頃のキャンプ場ではよく見かけるもの。当然、1100リットルという積載量(ふたり乗り時)は大量のキャンプ用品を運ぶのにもってこいですしね。また、容量だけでなく四隅を効率よく荷室にしているのもポイントで、パズルのように荷物を積みこむことなく、ざっくり積めるところも喜ばれているはず。
ここまで読んで「欲しくなった」という方のために中古車ガイドをすると、さすがにタマ数が豊富なので予算に沿って好みの1台を見つけられます。底値でおよそ30万円台からスタートして、上はいっても100万円ほど。底値ゾーンは、20万km以上は走っていますが、そこは営業車という素性ですから、メンテナンスや部品代もリーズナブル(というかもともと壊れづらい)で、上のほうにいくとオールペンしてあったり、リフトアップされていたりと、欲しいスタイルになっているタマも少なくありません。専門のショップが新車をベースにカスタムしたクルマもトレンドとなっていますので、こちらも選ぶ楽しみがありそう。
いいことづくめのプロボックスですが、トヨタだけでなく他メーカーからもぜひ「商用ベースの名車」をリリースしてほしいもの。やはり、これからの時代は、こうした質実剛健さがウケるのかもしれませんね。