こんなんガチに野生のライオンじゃん! 日本じゃオシャレで通ってる「プジョー」はアフリカでは質実剛健が売りのタフなクルマだった (2/2ページ)

アフリカだけでなく中東でも人気なプジョー

 もっとも、504の先代モデルとなる404からして現地でノックダウン生産されており、その流通から修理部品やノウハウもそれなりに広がっていたのかもしれません。

 興味深いのは、504のピックアップトラックを使って、アフリカのチームがグループBラリーにまで参戦したということ。グループBといえば、プジョーはもとよりランチアやアウディがモンスターマシンを作って競い合った「ガチ」なレース。

 ですが、アフリカの504が参加したのは同じグループでも2リッターエンジンでさほど改造範囲が広くないクラス。とはいえ、東アフリカの過酷なレースに出場しているわけで、その頑丈さは十分に理解できるかと。

 ちなみに、アフリカの土とか砂というのは土地によって違いはあるものの、もはや粉に近い粒度で、一般的なエアフィルターでは役に立たないほど。このあたりも考えると、ラリーに出場するというのがどれほど難しいのかおわかりいただけることでしょう。

 ところで、504のような旧型でなく、新型プジョーもアフリカの地をガンガン走りまわっています。植民地時代からノックダウン工場があったことが大きな要因で、いまやアフリカの地を走るクルマの3台に1台がプジョーだそうです。

 なかでも504ピックアップの次世代を担うモデルとして登場した「ランドトレック」は大人気で、トヨタのランクルを凌駕せんばかりの売れ行きだとか。

 また、アフリカのほかに中東の地でもプジョーの剛健さが人気の的となっています。これまた植民地政策のおかげで404から504が大量にいきわたったほか、現地工場でも生産をしています。そして、働くクルマだけでなくオシャレ系モデルも発売されており、スポーツクーペのRCZは中東のカーオブザイヤーを獲得したほど。

 ブランド創立から200年以上の歴史をもつプジョーだけに、その人気、ステイタスはさすがにワールドワイド! アフリカや中東の地でブイブイいわせてるのも大いに納得です。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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