日時によって通行料を変化させて交通量をコントロール! ロードプライシングは「渋滞緩和」の切り札となるか? (2/2ページ)

通行料金を上げた場合は利用者からの反発は避けられない

 たとえば渋滞具合に応じてリアルタイムに料金設定を変化させることで、ドライバーは料金の安くなっている道(≒空いている道)を走ろうという動機が生まれる。

 ルートを変えたことで目的地への到着時間が大幅に伸びてしまうようでは本末転倒ではあるが、首都高をはじめとした都市高速であれば、複数のルートが選べることも少なくない。現時点では最短距離でルートを選びがちだが、リアルタイムでのロードプライシングが採用されれば、通行料金というコストを基準にする時代がやってくるかもしれない。

 かなり普及しているETCという料金収受システムを使えば、リアルタイムに変動するロードプライシングは可能だろう。もっとも、どのくらいの時間単位で価格設定を変化させるのかは難しい面もある。また、料金の安いルートに交通量が集中して、そちらが渋滞しては意味がない。結果として、安い道を走るために高度なテクニックが必要になっては普及もしないし、利用者からは反発されるばかりだろう。

 そもそも、ロードプライシングを使わなくとも交通量をコントロールすることは可能といえる。現状であっても、ほぼリアルタイムの交通量を考慮して渋滞を避けるようなルート検索をする機能はスマホやカーナビに採用されているからだ。渋滞を解消するための交通量コントロールとしてロードプライシングを採用するだけなく、そうしたデバイスを使うインセンティブを高め、リアルタイム交通情報の精度を上げるような施策も取るべきだと思う。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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