新型を出す意味ないんじゃ!? 超モデル末期でも旧型フリードが驚異的な売り上げを誇るワケ (2/2ページ)

装備面ではシエンタに見劣りするがミニバンとしての資質が高い

 このように、従来型フリードはアップサイジングとダウンサイジングを含めて、さまざまなユーザーが購入している。とくにいまのホンダには、トヨタのルーミーに相当する2列シートで背の高いコンパクトカーが用意されない。コンパクトカーは全高を1550mm以下に抑えたフィットのみだから、この需要も2列シートのフリードプラスを含めて、従来型フリードが受け持っていた。

 そしてコンパクトミニバンの市場は、実質的にフリードとトヨタ・シエンタのみだ。シエンタは薄型燃料タンクの採用で空間効率を向上させたが、全高は1700mmを下まわるから、ミニバンらしさは少し背の高いフリードが濃厚だ。

 人気の高い2列目がセパレートタイプになるキャプテンシートも、シエンタには用意されず、フリードでは選べる。従来型のフリードは、設計が古いためにハイブリッドシステムや安全装備では見劣りするが、ミニバンを所有する満足度はシエンタを上まわるところもあった。

 このほか販売店では、「従来型のフリードは、販売台数が多い車種だから、在庫も豊富にそろえていた。最近まで値引きなどの購入条件を向上させて販売していた」と述べている。豊富な在庫を好条件で売り切ったことも、好調な売れ行きを保った理由だ。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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