【試乗】「LSD」の変更と「サーキット用DSC」を採用! 大幅改良したロードスター「NR-A」の実力をサーキットで試した (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2023年10月、ロードスターが大幅改良

■筑波サーキットで「NR-A」の試乗会が開催された

■タイムやインプレッションをお届けする

モータースポーツベース車「NR-A」に筑波サーキットで試乗

 2023年10月に商品改良を受けて、より一層走りを進化させたマツダ・ロードスター。

一般道でのインプレッションは既報済みだが、サーキット走行に特化した試乗会が開催されたのでリポートしよう。

 用意されたのは筑波サーキット。ここでは毎年ロードスターを使用して自動車メディアが燃費と速さを競う「メディア対抗4時間耐久レース」が開催されている。我々WEB CARTOP&CARトップチームも30年以上連続参加してきており、昨年は3位表彰台の獲得を果たした。ただ昨年の予選時は降雨に祟られウエットの路面コンディションで難しいドライビングを強いられた。その時の印象は激しいオーバーステア特性とグリップ不足で、ベテランのジャーナリストドライバーもスピンするほど。僕自身もスピンはしなかったが、スピン車両に行く手を阻まれ、予選過去最低の8位となってしまっていた。

 ドライの決勝は3位まで挽回したが、ウエットでの操縦性の悪癖がかなり印象に強く残ってしまっていたのだ。

 しかし、大幅改良を受けた新型は、そうしたネガティブな印象を払拭してくれるはずだと開発に関わった梅津大輔エンジニアは自信を示す。実際梅津氏自身もメディア4耐にマツダの「人馬一体ロードスターチーム」でドライバーとして参戦しており、件のウエットの予選では僕を上まわる7位のタイムを叩き出していた。

 その梅津氏自身もウエットの操縦性には苦労したようで、今回の改良の成果には自信があるという。

 改良ポイントを振り返ると、電動パワーステアリングのデュアルピニオン化、アシンメトリックLSD(リミテッドスリップでファレンシャル)」の採用、サーキット走行に特化した電子制御「DSCトラック」モード(MMT車のみ)の採用などが注目すべきポイントだ。

 試乗車はMTのNR-A。ロールゲージが組み込まれ、タイヤはメディア4耐でも使用するブリヂストン「アドレナリン」。ブレーキパッドも指定の「エンドレス」製を装着してありそのままマツダの主催するパーティーレースに参加できるというナンバー付き車両だ。

 しかも路面はウエットで昨年のメディア4耐予選時とほぼ同等のコンディション。改良の進化を試すにはもってこいの状況だ。

 コースインして最初のラップ。冷えたタイヤとブレーキのウォームアップはアウトラップだけで十分だ。その温まりの早さは明らかに昨年のメディア4耐時とは異なる。リヤの安定性が明らかに高まっており、また加速旋回時にリヤがリバースする感触もずっと穏やかになっている。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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