パーツはいつまでも生産されているとは限らない
●ダッシュボード
経年劣化と紫外線によるダメージでクラックが入る率が高い純正ダッシュボード。古いクルマともなれば欠品や製造廃止になっているケースが多く、コンディションのいいダッシュボードをネットオークションなどで入手するのもひと苦労です。コンディションのいいダッシュボードを探し求めて常にウォッチリストで出品状況をチェックし、よりよい状態のダッシュボードが出てきたら札束の殴り合いをしてでも入手。無事に確保できたところで手持ちのダッシュボードを出品して落札金額に補填する……といった涙ぐましい努力をしているオーナーもいます。
ごくまれに中古パーツ専門店の店頭に並ぶこともあり、これはもう運とタイミング次第でしょう。なお、多くの自動車用のパーツがそうであるように、ダッシュボードも自宅で保管すると意外とがさばります。同居人がいる場合はかなりの確率で小言をいわれるので、屋根裏部屋など、邪魔にならない保管場所を確保することも重要です。
●ノーマルホイール
車種にもよりますが、不遇な扱いを受けることも少なくないノーマルホイール。アフターメーカーのホイールに交換してしまうと、スタッドレスタイヤ用として使われることもあれば、どうせ使わないし、置き場所もないし……ということで、ネットオークションや中古パーツ専門店などを通じて処分してしまう人もいます。しかし、フルオリジナル派にとってノーマルホイールは外すことのできないマストアイテム。
また「クルマを購入直後にチューニング&ドレスアップしたけど、最近はオリジナル&ノーマルホイールの雰囲気もいいかなって……」と、一周した末に本来の姿に魅力を感じるオーナーもいます。
置き場所さえ確保できるのであれば、ひとまず使わなくとも手もとに置いておきたいものです。いちど手放してしまうと、コンディションのいい純正ホイールがなかなか見つからず。手に入れるのに苦労するケースも珍しくありません。
●まとめ:ノーマルパーツはできるだけ手もとに……
ノーマルホイールの他にも、ステアリングやシフトノブ、マフラー、シートなど……。新車で購入したクルマであれば可能な限りノーマルパーツを手元に保管し、中古車で購入した個体であれば予算が許す範囲で入手しておきたいところです。
その理由として、アガリのクルマ、一生モノだと心に誓った愛車であっても、いつ何が起こるかわからないからです。誰だって考えたくはないけれど、なくなく売却することになった際、少しでもオリジナルに近い状態のほうが高い値段で売却できるからです。いわゆるひとつひとつのノーマルパーツが「保険」の役目を果たします(単品で売却しても利益になる確率がありますし)。
それともうひとつ。若いときには真っ先に処分してしまった人も多いであろうノーマルパーツ。「当時はダサい」と思っていたものが、所有期間や年齢を重ねるにつれて「じつはカッコいいかも」あるいは「そろそろノーマルに戻してみよう」といった心境の変化に対応するための「保険」でもあるのです。