納期遅延の解消で登録台数もじわじわ増加
この背景には納期遅延があった。ホンダの小型/普通車は、他社に比べて半導体などの不足に伴う納期遅延からの回復が遅く、現行ステップワゴンも発売当初は納期が約1年を要した。
とくに新型車が納期遅延に陥ると、納車を待つ台数が急速に増えてしまう。ステップワゴンの場合、納期遅延の影響は前述のように2023年8月頃まで続き、9月に入って解消されると登録台数を増やし始めた。
2024年に入ると生産も本格化して、納車待ちを解消すべく、対前年比が1.4〜2.8倍に急増したわけだ。2024年5月下旬時点の納期を販売店に尋ねると、「いまは大半が2カ月に収まり、長くても3カ月」という。ひととおり納車が進むと、登録台数も落ち着くだろう。
ライバル車の動向も影響している。2022年1月に登場したトヨタ・ノア&ヴォクシーの登録台数は、2024年1月はノアが前年の76%でヴォクシーは71%、直近の4月もノアが78%でヴォクシーは88%だ。以前に比べると新型車としての注目度が薄れ、ステップワゴンにも目が向くようになった。
もともとステップワゴンはミニバンの主力車種で、現行型の外観は少し地味だが、実用性や快適性は高い。最近の登録台数が、本来あるべき販売実績だろう。今後の課題は、同じホンダのコンパクトミニバン、フリードがフルモデルチェンジすることだ。ステップワゴンはユーザーを新型フリードに奪われないように、販売促進に力を入れる必要がある。