クルマ好きの大好物「コーナリングマシン」……ってよく考えると何? どんなクルマが該当するのか考えてみた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■スポーツモデルの評価のたとえに「コーナリングマシン」という表現がある

■絶対的な速さはあまり必要ないとされている

■ボディが軽量であり重心が低いことが重要だ

コーナリングマシンの定義とは

 マツダ・ロードスターなどのライトウエイトスポーツカーを評する際に「生粋のコーナリングマシン」といった表現を用いることがある。

 多くのモータージャーナリストが、こうした表現をインプレッション内に使っているのを見かけるだろうが、はたして“コーナリングマシン”という評価は、どのような性能を満たせばいいのだろうか。

 コーナリングマシンと評価するのに必要な数値条件が、なにかの教科書に載っているわけではない。文字 どおりにコーナリングに優れたマシンとして捉えれば、旋回速度やコーナリング時に生み出せる最大G(横加速度)の数値が一定以上のクルマに与えられる称号のように思えるかもしれないが、じつはそうではないのだ。

 モータージャーナリストや多くのクルマ好きがコーナリングマシンと評価する基準は、非常に感覚的で定量化するのは難しい。なぜなら「曲がることが楽しい」という要素があってこそのコーナリングマシンといえるからだ。逆にいえば、絶対的な速さは必須条件ではない。

 では、コーナリング操作が楽しいと感じるための条件としては何が考えられるだろうか。

 ひとつには、ボディが軽量であり、なおかつ重心が低いことが挙げられる。

 スポーティなドライビングにおける「コーナリング」という言葉は、単に曲がっているという意味だけではない。ブレーキングによる減速からステアリング操作などによる旋回、そしてアクセルを踏み込んで立ち上がる……という一連の動きを示していると考えるのが妥当だ。

 そうなると、コーナリング操作の入り口となるブレーキングに難を感じてしまうようではコーナリングマシンとは呼び難い。そして、ブレーキング(減速)のスムースネスでいえば、ボディが軽量であることが最重要の条件となる。どんなに立派なブレーキシステムを備えていても、重量級マシンではライトウエイトスポーツカーのような切れ味のあるブレーキングを味わうことは“物理的”に難しいといえる。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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