クルマだけでなくアプリ開発も重要課題
いままでは中国やアメリカを中心に、新興BEVメーカーが注目されていたが、ここのところはBEVにおける異業種参入が注目されている。
少し前にBEV路線バスでは各メーカーが、導入したバス事業者向けに保有車両の蓄電状況などを管理できるエネルギーマネージメントにかかるアプリも個々に開発していると聞いたことがある。そのアプリの使い勝手も導入車両を決める判断になるとも聞いている。そのため、車両から随時通信機能を使って車両の状況を送信していることもあり、BEV路線バスの導入に積極的なタイの首都バンコク市では、BEV路線バスの導入とともに「バスロケーションシステム(路線ごとに待っているバス停にいつごろ到着するかなどをバス停のモニターなどに表示するシステム)」も一部路線のようだが普及も進んでいる。
乗用車においても、BEVかどうかを問わず、コネクティッドシステムの普及は進んでいる。BEV及びコネクティッドシステムの普及を進めようとするならば、通信業界大手や家電メーカー大手が車両開発を行ったり、完成車メーカーと提携して車両開発を進めるのは自然の流れでもあり、日本メーカーも当然積極的な姿勢を見せていると北京モーターショーのリポートでは報じていた。
ホンダがソニーとBEV開発で異業種コラボを進めているのはその代表例といえるだろう。
少し前に「クルマの白物家電化」とよくいわれていた。世間的にクルマへの興味が薄れ、洗濯機や冷蔵庫を買うようなノリで、単なる移動用機器としてクルマを購買するような状況を「白物家電化」と呼んでいた。これとはだいぶ意味合いは異なるが、ある意味100年に1度の変革期を迎え、新たな“クルマの家電化”というものが、電動化とともに進んでいくことになるのだろうか。