この記事をまとめると
■ジャパン・トラックショー2024の展示内容は「2024年問題」と「BEV」に焦点を当てていた
■日本の大手トラックメーカーは積極的にBEVモデルの車両を展示していた
■導入するメリットも多いため商用車では今後BEVの普及が乗用車よりも進みそうだ
EV普及に遅れる日本でも商用車分野のEV化は着々と進んでいる
2024年5月に横浜市で開催された「ジャパン・トラックショー2024」の会場内を歩いていると、業界としていま注目されているのが、「2024年問題」と「BEV(バッテリー電気自動車)」というのがよく伝わってきた。
会場内では、UDトラックス、いすゞ、日野、三菱ふそうといった日系トラックメーカーがブースを構えていた。UDトラックスを除けば、いすゞならエルフEV、日野ならデュトロZEV、三菱ふそうならeキャンターといった、BEVトラック車両を積極的に展示していた。
乗用車は別として、バスやタクシー、そして貨物車のBEV化は世界を見ても早いスピードで進んでいる(大型トラックはFCEVで進んでいるようだ)。日々走っているものであるから、そこからゼロエミッション化していけば、気候変動対策などにも非常に有効になるというもの。また、趣味性の高い乗用車とは異なり、「はたらくクルマ」はメインユーザーにとっては趣味性がほぼ介在しないので、周辺環境整備が進めば、BEV化するスピードも速まるといえるだろう。
たとえば三菱ふそうではeキャンターのゴミ収集車が展示してあった。日野では宅配や通販デリバリーなどで使えそうなバンタイプに架装したデュトロZEVが目に留まった。
あるブースで話を聞くと、その大きさからも「ラスト1マイル」での走行、つまり住宅街などでの走行を考えるとBEVという選択が、今後は目立ってくるのではないかとのことであった。それは「BEV=地球に優しい」というものよりもっと身近な話題が影響しているとのこと。それは騒音だ。
筆者も一般的なアパートに住んでいるのだが、部屋にいると宅配便のトラックが来たのがエンジン音でわかる(エンジンを停止するときも結構な音がするので)。つまり、ディーゼルエンジン車の宅配トラックなどでは、住宅街で「エンジン音がうるさい」といった話も少なくないようなのだ。十分環境に配慮したクリーンなエンジンとなっている日本のディーゼルトラックだが、「BEV=ゼロエミッション」というインパクトも大きいようである。